森且行、『オートレーサー森且行 約束のオーバル 劇場版』ナレーション担当の“同級生”萩原聖人に感謝「カッコよすぎてびっくり!」
『オートレーサー森且行 約束のオーバル 劇場版』(公開中)の公開記念舞台挨拶が11月30日、新宿ピカデリーにて開催され、森且行、萩原聖人、穂坂友紀監督が登壇した。
本作は、SMAPのメンバーとして人気絶頂だった22歳の時に、幼少時からの夢だったオートレーサーへ転身した森且行の生き方の深奥に迫ったドキュメンタリーで、2023年3月開催の「TBSドキュメンタリー映画祭」で上映された『オートレーサー森且行 約束のオーバルへ』をもとに、追加撮影映像を交え再編集したもの。オートレースに命懸けで“挑み続ける”森の、ヘルメットの下に隠されてきた28年間の生き様と魂が明らかとなる作品となっている。
大きな拍手と歓声に包まれた会場に姿を現した森には、女性からの黄色い歓声はもちろん、男性ファンの力強い声も飛ぶ。「なんだかレース場にいるみたい」と微笑んだ森は、「3年間、諦めずに撮り続けてくれた監督、そしてナレーションを務めてくれた“同級生”のハギくん、ありがとうございます」と感謝の気持ちを伝え、深々とお辞儀。
森と萩原は実際の同級生ではないが、1988年放送のドラマ「3年B組金八先生」でクラスメイトとして共演している。当時の森について「僕から見たらスター候補生の同級生だったけれど、森くんはみんなと分け隔てなく仲良くしてくれたので、いまの(とてもいい)距離感があります」と振り返った萩原は、アイドルを辞め、オートレースの道に進む決断について、「当時は、なんてことを!と思いました」と正直な気持ちを明かす。森の選んだ道について「大人になってからわかる思いはあるけれど、当時は『本当に?』って思いました。信念って言葉にすると簡単に言えちゃうけれど、それを貫くという行動ができる人が、どれだけいるのだろうか。しかもなかなか貫かせてくれない現実が次から次へと襲ってきます」と説明し、「こういう形で応援できたことはすごくうれしいです」と満面の笑みを浮かべていた。
2人は一昨年前に、「3年B組」の同窓会で再会。すぐに意気投合したそうで「30年ぶりとは思えない。30年という時間はなかったかのようでした」と声を揃える。森の活躍や状況についてはニュースを通して知っていたという萩原は「森くんは常にスマート。30年ぶりに会って飲んでも、苦労した話は一個もしない。楽しい話しかしてくれない。人を惹きつけるし、どんな人にも同じように接する。とても信じられる人。ここに映っているものがすべて真実というのが伝わってくる」と森の魅力を熱弁。楽しい話しかしない理由については「めちゃくちゃ楽しかったから」と照れながら話した森は、「リハビリ中だったけれど、2軒飲みに行っちゃうくらい楽しかった!」と同級生との再会を心からうれしく感じていたと語っていた。
萩原のナレーションについて森は「ハギくんの声って、最初は全然わからなくて(笑)。カッコよすぎてびっくり!ネットで調べたら意外とナレーションをやっているのを知って」と、オファー後に知った事実に触れ、「だからこんなにすごいんだ。魂が入っている。さすがだなと思いました」と唸る場面もあった。
見どころを問われた萩原は、「ここに映っているものはすべてではない。森くん自身は道半ば。これからも積み重なっていきます。映画を観た方になにが残るのか。それが見どころになると思います」と回答。また、萩原は映像では森のレース姿を見ているが、実際にはまだ見たことがないという。「飲みに行こうと誘ってくれるけれど、レースに来てとは言ってくれない」と話す萩原に森は「レース中はハギくんに会えないもん。飲みに行ったほうが楽しいし。だから、最終日に来てくれれば、僕は(レースから)解放されるから、飲みに行ける!」とあくまで一緒に楽しみたいと強調し、笑いを誘っていた。
最後の挨拶で萩原は「僕は俳優として立ち向かう男や挑戦する男を虚構でやることはある。でもここに映るのは本物。本当に生きている。これからも挑戦し続けるし、過酷な人生をもう少し歩こうとしている。真実が映っています」と力を込め、壁が立ちはだかる度、困難に立ち向かう度に観るのがおすすめとアピール。森は「映画を通して、森且行がオートレーサーとして戦う理由を少しでも感じていただけたらうれしいです!」と呼びかけ、イベントをしめくくると、会場から割れんばかりの拍手が湧き起こっていた。
取材・文/タナカシノブ