韓国トップ俳優による美と自分らしさの饗宴!第45回青龍映画賞レッドカーペットまとめ
11月29日、韓国映画界で最も権威のある映画賞、第45回青龍映画賞が開催された。授賞式に先駆け、この1年間で忠武路(韓国映画界の愛称)を彩った珠玉の作品群で輝いた演技巧者たちが、授賞式前恒例のレッドカーペットに集結した。
昨年を以て司会を勇退したキム・ヘスとユ・ヨンソクの後継者となった新MCハン・ジミンとイ・ジェフンが登場した。花の化身のような白く艶やかなドレスが印象的なハン・ジミンと、ネイビーのタキシードを纏ったイ・ジェフン。
ハン・ジミンは『虐待の証明』(18)で児童虐待被害者の少女と逃避行をする女性を力演し、第39回青龍映画賞の主演女優賞を獲得。イ・ジェフンもまた『BLEAK NIGHT 番人』(10)で第32回青龍映画賞で新人男優賞を獲得し“怪物級の若手俳優”と絶賛されたことがある。青龍映画賞の申し子のような2人だが、「この上ない栄光を感じるとともに、ハン・ジミン先輩と一緒にすごく震えています(笑)。それでもこうして機会を与えていただき、本当に嬉しくて幸せです」と明かしたように、揃って緊張の面持ち。共演経験のない2人だが、ハン・ジミンはイ・ジェフンの初対面の印象を「イ・ジェフンさんは演技も情熱的。こんな風に出逢えるとは思っていなかった」と感慨深げだった。
『大都市の愛し方(原題:대도시의 사랑법)』で初スクリーンデビューとなったノ・サンヒョン。青龍のレッドカーペットも初体験だが、長身で冬風を切るように堂々としたウォーキング。
キラキラと目を輝かせて登場したのはイ・ジョンハ。「ムービング」以降もスター街道を邁進中と同時に、今なおフレッシュな魅力を振りまいている。
チョン・ヘインは正統派のタキシード。待ち構えたファンからの声援に、いつもの可愛い笑顔で応える。かき上げたややポマードスタイルのヘアアレンジも清潔感抜群だ。
キム・ゴウンはブラックドレスにスパンコールが織られた幅広のウエストベルトを合わせ、身体のラインが一層綺麗に見せる。大ぶりのピアスもヘアスタイルにピッタリで、活発なキム・ゴウンの魅力を引き立てている。
寒さを吹き飛ばすファッショニスタ?冬ならではの防寒コーデ?それぞれの個性が出る着こなしに注目
ソウルは開催2日前に初雪を記録し、スターたちは皆一様に白い息を弾ませるほどの寒さの中で行われたレッドカーペット。そんな寒さをものともしない装いで登場したスターたちの姿をお届けしよう。
暴走する車のトランクに大人気配信者が監禁されたことで巻き起こるスリラー『ドライブ(原題:드라이브)』で、新人女優賞を獲得したパク・ジュヒョン。スパンコールを散りばめた、空気の澄んだ夜に映えるブラックキャミソールドレスのスリットから足を大胆に見せる。その潔さがむしろヘルシーな印象だ。
『ビクトリー(原題:빅토리)』で活発な演技を見せてくれたヘリは、ブラックワンピースの上にオーガンジー素材をレイヤード。花をかたどったコサージュがフェミニンながらクールさも感じさせる。
『韓国が嫌いで(原題:한국이 싫어서)』のコ・アソンは、柔らかい新雪のようなまろやか素材による純白ドレス。デコルテを魅せてより華やかな演出だ。
繊細なグリーンのドレスが一足早い春を感じさせるイム・ジヨン。同系統のケープも揃え、「エルフのよう」と形容される幻想的な雰囲気で登場した。
季節を先取りと言えば、ハ・ユンギョンも忘れられない。モノトーンの中に現れた鮮やかなブルーのドレスで、背中へ垂らしたチョーカーのリボンも彼女の洗練された美しさを際立たせている。
とはいえ、雪の残るソウル。着こんでもおしゃれはできるのがトップスターのセンスというものだ。イ・サンヒは仕立てと生地の良さそうなコートでしっかり防寒対策。貫禄すら感じさせるいで立ちに、中継のアナウンサーからも思わず「カッコいい!」の声が上がる。
似合うスタイルが“真の美しさ”。個性を探究したファッションのスターたち
『脱走(原題:탈주)』北の兵士を追いかける保衛部将校を演じたク・ギョファンは、大きな歓声に迎えられレッドカーペットに降り立った。ギャラリーからのレスポンスに、ハートポーズやジェスチャーでしっかり応える茶目っ気で場を温めた。ショート丈のジャケットにワイドボトムス、真っ赤なソールのシューズなどジェンダーに囚われないニュートラルなファッションで、ク・ギョファンのバランス感覚を示している。
ラ・ミランはマーメイドシルエットの優雅なブラックワンピース、ヨム・ヘランはレーシーな素材を羽織りエレガントなムード。韓国も日本もエイジズムが根強い社会だが、何歳になってもこうして着たいファッションをすることこそ美の秘訣ではないだろうか。
イ・ソンミンはタートルネックにジャケットと、ラフながらノーブルな印象を感じさせる。『ハンサムガイズ(原題:핸썸가이즈)』主演男優賞への自信のほどを聞かれるが、「ありません(笑)」と即答。「だってジョンミンがいるから…(笑)」と、共演経験の多いファン・ジョンミンとの仲の良さを口にしてニコニコ顔だ。
そんな当の本人、ファン・ジョンミンももちろんレッドカーペットへ姿を見せた。トラディショナルなタキシードながら、カラーとタイが別素材なのが印象的だった。
文/荒井 南