『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』(03)の日本公開から20年の時を経て制作された「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズ最新作となるアニメーション映画『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』(12月27日公開)の12月13日(金)の全米公開に先駆け、現地時間12月10日にニュージーランドにて本作のファンプレミアが開催。神山健治監督、製作総指揮のピーター・ジャクソン、製作・脚本のフィリッパ・ボウエンらをはじめ、ボイスキャストであるブライアン・コックスやガイア・ワイズ、そして実写「ロード・オブ・ザ・リング」3部作でローハンの姫エオウィンを演じ、本作では同役でストーリーテラーとして参加したミランダ・オットーなど、豪華キャスト・スタッフ陣が大集結した。
会場となったのは<ホビット庄>。『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズ全作品の撮影が行われ、いまでもそのセットが残されており「LOTR」ファンの聖地となっている場所だ。ニュージーランドの国民的映画「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズ最新作ということで、マオリの民族衣装を纏った現地スタッフらによる熱烈な歓迎を受け、登壇者を一目見ようと世界中から駆け付けたファンたちによる熱気に包まれた。
ジャクソンは「『ロード・オブ・ザ・リング』と『ホビット』の映画の後、また同じような作品を作りたくありませんでした。もし再び〈中つ国〉の世界に戻るなら、これまでとは異なるフォーマットを試して、その世界の中で新たな物語を描くのがおもしろいのではないかと考えました。この作品は長編アニメーション映画ですが、私にとっては同じ『ロード・オブ・ザ・リング』の世界を舞台にしたシリーズ最新なのです」と本作の製作の経緯とシリーズの新たな傑作となった『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』に自信をのぞかせる。
『ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還』から20年ぶりに〈中つ国〉に舞い戻ったオットーは「再び〈中つ国〉に戻ってこれて 楽しかったです。『ロード・オブ・ザ・リング』は、私にとって特別な作品ですから。同じ役を演じるのも楽しかったですし、自分の一部のような大好きな役のオファーをもらった時は本当うれしかったです。ナレーションとして物語をリードしていきますが、彼女も年齢を重ねており、成熟した女性として語っています。そして、本作では誰かの物語への共感力が問われました。心の距離を保つことが必要で、感情に寄り添いつつ、結末を知る者の姿勢が大事でした。ナレーションとしての参加は、ひと味違いましたね」とアフレコ収録を振り返る。
日本のみならず世界中から熱視線を浴びている本作。大手海外レビューサイトでは本作をすでに鑑賞した目の肥えたシネフィルによるレビューがさっそくあがっており、「〈中つ国〉という夢の空間で、私たちが時を過ごすことがいかにスリリングであるかを示している。(VARIETY)」、「トールキン原作が初めてでも、壮大で神話的な物語として楽しむことができる。(Rotten Tomatoes)」、「戦闘シーンは圧倒的で驚くほど美しく描かれており、スクリーンの大画面でこそ本領を発揮する。(The Hollywood Reporter)」、「『ロード・オブ・ザ・リング』で見たことのないような映像を提供し、心躍るほどすばらしい作品。(SlashFilm)」、「監督とスタッフの仕事ぶりに引き込まれる、美しい映像とすばらしいストーリー。(IMDb)」と本作を称賛する声が続々と届いている。
いよいよ公開目前の『ロード・オブ・ザ・リング/ローハンの戦い』。美しいアニメーションでよみがえる、あの〈中つ国〉の壮大な物語を再び劇場で観ていただきたい。
文/山崎伸子