20世紀アメリカとパリで活躍した芸術家マン・レイと、『ナイト・オン・ザ・プラネット』(91)などで知られるジム・ジャームッシュ。2人がコラボレーションした『RETURN TO REASON/リターン・トゥ・リーズン』が2025年1月24日(金)に公開される。
ジャームッシュと『パターソン』(16)、『デッド・ドント・ダイ』(19)ほか近年のジャームッシュ作品のプロデューサーであるカーター・ローガンによる音楽ユニット、スクワール。本作は、スクワールの音楽をジャームッシュもその作品に影響を受けたと語るダダイズムのパイオニアである芸術家レイによる短編4本と合わせた映像作品だ。
ジャームッシュは15年ほど前からサイレント映画に音楽をつけてみたいと思い、この企画を始動。レイの短編映像作品にスクワールの音楽を合わせたライブを2017年から開始した。パリのポンピドゥー・センターや、ロンドンのクイーン・エリザベス・ホールなどでも実施し、多くのオーディエンスを魅了。プロジェクトの頂点として、レイが初めて映画製作に着手してから100周年にあたる2023年に、4Kレストア版として『RETURN TO REASON/リターン・トゥ・リーズン』がカンヌ国際映画祭クラシック部門でプレミア上映された。
内容はレイの短編『理性への回帰』、『ひとで』、『エマク・バキア』、『サイコロ城の秘密』で構成され、4Kレストアによりモノクロ映像は美しく甦り、そこにスクワールによる繊細かつ破壊的な音楽が融合。いままでに感じたことのない恍惚な映像体験が味わえる。
さらに、本作の日本公開を記念して、本国オリジナルポスターと本国オリジナルポスターを大きくあしらったTシャツが、物販サイト「LONGRIDE STORE」にて先行販売することも決定。12月16日(月)20時より販売スタートする。
20世紀を代表する芸術家マン・レイと現代でも作品を作り続けているジム・ジャームッシュ監督の時代を超えた奇跡のコラボレーション。ぜひ、本作の世界観を劇場で堪能してほしい。
文/平尾嘉浩