木村拓哉、完全新作SPドラマ「グランメゾン東京」のスケールに自信!ドラマの台本を劇場版のものだと「勘違いした」
2019年にTBSの日曜劇場枠で放送されたテレビドラマ「グランメゾン東京」のSPドラマ先行上映会が12月21日にTOHOシネマズ新宿で行われ、木村拓哉、鈴木京香、オク・テギョン、正門良規、玉森裕太、寛一郎、吉谷彩子、中村アン、北村一輝、及川光博、沢村一樹、塚原あゆ子監督が出席した。
型破りなシェフ・尾花(木村)が、シェフの倫子(鈴木)と出会い、周囲と衝突しながらも日本で三つ星レストランを作り上げようと奮闘する姿を描いた「グランメゾン東京」。完全新作スペシャルドラマが、12月29日(日)に放送となる。アジア人女性初の三つ星レストランのシェフとなった倫子だったが、その直後に新型コロナウイルスが蔓延。倫子は「グランメゾン東京」の生き残りをかけて大手企業傘下のフードコンサルティング企業と資本提携を結び、活路を見出そうとする。
またスペシャルドラマ放送翌日の12月30日(月)からは、尾花たちがフランス料理の本場であるパリを舞台に、アジア人初となるミシュランガイド“三つ星”に挑む道のりを映しだす劇場版作品『グランメゾン・パリ』が公開となる。
木村は、スペシャルドラマについて「『グランメゾン・パリ』の前菜となっています」と紹介。「こちらを観ていただいて、『グランメゾン・パリ』を受け取っていただくと、一番いいコースになっている」とオススメした。鈴木は「5年前に楽しい時間、そしてかけがえのない思い出になったドラマ」と連続ドラマを振り返り、「スペシャルドラマになると聞いてとてもうれしく、映画にもなると聞いた時にとても感激しました。撮影は、夢のように楽しい時間でした」と喜びを噛み締めた。
司会を務めた杉山真也アナウンサーから「本作はフランスの高級ブランド『ブシュロン』の店舗での撮影にもご協力いただきました。その縁もありまして、『ブシュロン』のジュエリー総額1億円相当をいま、鈴木さんがお召しだと伺っております」と明かされる場面もあり、鈴木は「そうでしたか…!」とどうやら知らなかった様子。木村が「本人知らなかったみたいです。その情報はもうちょっと早めに言ってもらって」と茶目っけたっぷりにツッコミを入れると、鈴木は「急に緊張してきますね。急に重く感じます」と照れ笑いを見せながら、「キラキラしたものがあるなというだけでうれしかったんですが、値段ではないと言いながらもお値段を聞くと、こんなすばらしいものを身につけさせていただいてありがたいことだなと思います」と感激していた。
映画からの新キャストとなったのが、テギョンと正門だ。コミ(見習い)として働く愛されキャラの小暮佑役の正門は、「ファンの多い作品だと思っていたので、その作品に参加できるという喜びを噛み締めながら、一日一日を大事に撮影に挑みました。できることは精一杯やった。ぜひ受け取ってください」と力強くコメント。スペシャルドラマの撮影現場を見学に訪れたとも話し、「ここに新しく参加できるんだと思うとうれしくて、頑張ろうと思いました」と笑顔を見せていた。
パティシエ、リック・ユアン役を演じるテギョンは「いっぱい来てくださって、胸がワクワクしています」と会場を見渡しながら、しっかりと日本語で挨拶。すると木村は「撮影が始まって5日間くらいは、テギョンの斜め後ろに通訳の方がいてくださった。6日目からいなくなり、大丈夫かなと思ったら、テギョンがちゃんと僕らに歩み寄ってくれた。僕らが一番びっくりしている」と常に日本語でコミュニケーションを取ったテギョンの努力を称えた。木村をはじめとした主要キャストは、映画において日本語のセリフと変わらない量のフランス語での芝居にも挑戦しているが、難しいと愚痴をこぼしそうになる瞬間もあった様子。木村は「テギョンの頑張りを目の当たりにすると、なにも言えない」と目尻を下げ、「テギョンに拍手をお願いします」と呼びかけていた。
相沢瓶人役の及川は、スペシャルドラマの脚本を読んだ際に劇場版の脚本だと勘違いしたという。「それくらい2作ともおもしろい!」と声を大にすると、木村も「僕も勘違いしていました」と同調。「『台本があがりました』と手元に届いて、読んだら本当におもしろくて。『これ、早く撮ろうよ』というモチベーションになったんですが、読み進めていくとラストシーンに『劇場版グランメゾンに続く』と書いてあった。え、じゃあこれはなに…?と思ったら、『ドラマです』と言われて。なんで映画2本にしなかったんですかと言った」とスペシャルドラマとはいえ、台本の時点で劇場版だと思うほどのスケール感があったと話していた。
さらに「ぜひ皆さまの食欲のスイッチを押せたら」と目にもおいしいドラマだとアピールした木村。映画では、コロナ禍の影響も描かれる。木村は「シリーズでやらせていただいたのが、2019年。まだ誰もがマスクとかせずに、久々に会った人とハグしてみたりハイタッチしてみたり、それが当然だったタイミング。僕らも倫子さんが三つ星をとって『本当にとったな』と倫子さんに抱きついてもらって。物語は一度、句読点の丸をつけて終わらせてもらった」と連続ドラマ最終回の展開を回顧し、「みんなも踏ん張った、あのコロナ禍。あの状況を倫子シェフがいかに踏ん張ったのか。踏ん張ったがためにどうなったのか。コロナという時期を、もう一度皆さまに味わわせてしまうのかなという想いもありますが、いくらフィクションとはいえ飲食を描くのだったら中途半端にやっちゃいけないなと、監督やスタッフと話して思っていた。ここにいるキャストが役というスピーカーを通じて、どのような時間を皆さんに届けるのかということを味わっていただけたら」と真摯な想いを口にしていた。
取材・文/成田おり枝