実は養蜂家!MONKEY MAJIKのMaynard&TAXに『ビーキーパー』を観てもらった「僕らは普通のビーキーパーです(笑)」
「やればやるほど蜂に関わることは人間にとって大切だと感じています」(TAX)
――おふたりはミュージシャンであり、2018年からは地元の宮城県で養蜂家としても活動されていますが、養蜂の魅力とはなんでしょうか?
TAX「何十年もやっているわけではないので、毎年いかにして蜂にとってよい環境にしてあげるかという段階ですが、“人々のための活動”と感じられるところです。蜂蜜を採蜜するのも大切ですが、蜂の命をつなぐ部分にこそ役割があるといいますか、やればやるほど蜂に関わることは人間にとって大切だと感じています。ですから人前でお話しさせていただく時は、小さくてもいいので庭に花を植えたりすることで地球は少しずつだけど変わっていますとお伝えしています」
Maynard「最近ある研究の記事を読んでいたら、人間は経験したことの何割かしか脳にインプットされないとありました。つまり大事なことだけを覚えて、あとは忘れてしまうそうです。蜂たちは敏感で、少しでも環境が悪くなると死んでしまうし自分の巣を守ることもできません。だから養蜂家にとって環境作りは重要で、僕もいつも天気を気にするようになりました。養蜂を始めたことで、自分の周りに目を配るようになり、つまり大事なこと、覚えるべきことが増えていると感じます。それは自分や蜂だけでなく、周囲の人たちのためにもなるんじゃないでしょうか。養蜂によって、記憶するデータ量が少ないというボトルネックが広がることも魅力だと思います」
――おふたりは映画好きだそうですが、映画館で映画を観る楽しみについてお聞かせください。
Maynard「パンデミックのころ、北アメリカでは映画館の時代が終わったと言われましたが、最近のボックスオフィスのデータを見るととんでもない人が映画館に通っています。知らない人たちと一緒に観るという行為は、社会の一員になることですし、1人で家で観るのと感じ方も違ってすごくいいと思います。映画に限らず他人といることで人生がおもしろくなると思っているので、僕は映画館派なんです」
TAX「映画館だとテレビではわからない音が聞こえたり、大きいスクリーンだからこそ見える画がありますよね。映像も音も迫力を得ることができるという意味で僕も映画館が大好きです。そもそも僕が小さいころは座席指定制ではなかったし、映画館に何時間いてもよかったので、同じ映画を繰り返し何度も観たんですよ。いまにして思うと贅沢な経験をしたと思います。劇場の暗闇で観たことのない世界を体験する映画は、子どもにとって最初の記憶じゃないでしょうか。だから自分の3人の子どもたちも、小さい時から映画館に連れていっています。映画館はいちばん身近にあるアトラクションというかスペシャルなものだなと思いますね」
――最後にこれから『ビーキーパー』を観る人たちにひと言お願いします。
TAX「深く捉えれば地球に生きるものとして大きなメッセージが感じられる作品でありつつ、なにも考えずに楽しめる勧善懲悪ものという二面性のあるすばらしい作品だと思います」
Maynard「そのとおりですね。ビーキーパーとして楽しめる要素もありましたし、ビーキーパーではなくても楽しめる映画になっています。ちなみに僕らは普通のビーキーパーです(笑)」
TAX「日本政府に雇われていません(笑)」
取材・文/神武団四郎
フロントマンのカナダ人兄弟・Maynard-メイナード-(Vo&Gt)とBlaise-ブレイズ-(Vo&Gt)、日本人のリズム隊・TAX-タックス-(Dr)とDICK-ディック-(Ba) からなる宮城県在住の4ピースハイブリッドロック・バンド。2ndシングルの「Around The World」はフジテレビ系ドラマ「西遊記」の主題歌として爆発的なヒットを記録し、その後数多くのCMソングやドラマ、映画主題歌を手掛ける。2024年は14枚目のアルバム「CIRCLES」を引っ提げた全国ツアー「MONKEY MAJIK LIVE TOUR 2024 〜CIRCLES〜」実施するなど精力的に活動。結成25周年を迎える2025年には、中国にて「MONKEY MAJIK China Tour 2025」、25周年記念ライブ「MONKEY MAJIK 25th Anniversary」も控える。
・公式ホームページ:https://www.monkeymajik.com/