『スター・ウォーズ』『E.T.』『ダークナイト』『パイレーツ』も…名作音楽はこうして生まれた!
『スター・ウォーズ』、『ロッキー』、『ジョーズ』、『パイレーツ・オブ・カリビアン』…。名作には物語を雄弁に語る優れた音楽はつきもの。そんな映画音楽にスポットを当てた『すばらしき映画音楽たち』(10月7日公開)では、一度聴いたら忘れられないあのテーマ曲の秘密が明かされる!?
本作は名作曲家たちの情熱や苦労をインタビューと制作風景を交えて描くドキュメンタリー。冒頭では『ハート・ロッカー』(08)でアカデミー賞作曲賞にノミネートされたマルコ・ベルトラミが、『ホームズマン』(14)で使用した屋外に設置された超ロングサイズのピアノを披露。“風の音”を表現するために太いワイヤー製の弦を遥か丘の上まで伸ばした特別使用のものというとんでもない楽器に驚かされる。
のっけから最高の音を追求する映画音楽家のスケールに圧倒されるが、本編はその後もサイレント映画時代から初めてオーケストラを大々的に取り入りれた『キング・コング』(33)の衝撃、ジャズの影響を受けた『007』シリーズの台頭など、ハリウッドの映画音楽がたどった輝かしい足跡を紐解いていく。
映画の目玉はスティーヴン・スピルバーグ監督とともに数々のヒット作を生み出した伝説の音楽家ジョン・ウィリアムズが、2人で『E.T.』(82)のあの感動的なフレーズを生み出す場面。ピアノを弾くウィリアムズが、スピルバーグのイマジネーションをくみ取りながら音を紡いでいく貴重映像は鳥肌モノ!
一方、『ダークナイト』(08)などで知られるハンス・ジマーは作曲におけるプレッシャーを吐露する。攻撃的で緊迫感のある曲調がトレードマークの彼が「ひとりで青ざめるんだ。どうやればいいか、わからないとね」と大作を任される重圧を白状。この映画でしか聞けない赤裸々な告白だろう。
本作は、新宿シネマカリテによる特集企画「カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2017」での上映で好評を博し、順次全国劇場で再上映されることが決定した。“映画の魂”ともいわれる映画音楽のすべてを知ることができる本作を見逃すな!【トライワークス】