アカデミー賞に不景気の影! キャンペーンは低予算でこぢんまり

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アカデミー賞に不景気の影! キャンペーンは低予算でこぢんまり

アメリカの景気後退が長引く中、アカデミー賞にも大きな影響が出ている。キャンペーンの予算が大幅削減され、その方法も様がわりしてる。

アカデミー賞関連のイベントには、映画界最大のイベントとあって、ウン千万円、ウン億円というお金が動くのが普通。これまでのキャンペーンといえば、イベント会場を貸し切り、できるだけ多くのアカデミー会員や関係者を楽しませるために大金をばらまくという形式が多かった。

かねてから、アカデミー賞の常連メリル・ストリープなどが、「キャンペーンにこれだけの大金を使うのはばかげている」と発言し続け、ここ数年は少しずつ予算も削減されてきたようだが、それでも、派手なイベントには変わりはなかった。

しかし、今年はかなり事情が異なっている。特にアカデミー会員好みのインディペンデント系作品は、スタジオにお金がない上に興行収入も当てにできないため、プロデューサーや監督らがレストランや自宅でホームパーティを開いたり、俳優がイベントのホストを務めるなど、小規模で低予算のキャンペーンが繰り広げられている。

例えば、『Brothers』でゴールデングローブ賞(以下GG賞)にノミネートされたトビー・マグワイアは、親友のレオナルド・ディカプリオがホストになった。また、同様にGG賞にノミネートされた『The Messenger』のウッディ・ハレルソンのために、ベン・スティラーとオーウェン・ウィルソンがホストを務め、ショーン・ペンがサンフランシスコでの試写会イベントを主催するなど、仲間同士の助け合いも顕著だ。

確実に賞レースに絡んできそうな作品で興行的にもヒットした『イングロリアス・バスターズ』でさえも、配給元のミラマックスではなく、プロデューサーとクエンティン・タランティーノ監督の主催で、招待客200人くらいのパーティを行ったそう。もちろんキャンペーンの最終戦には、ある程度のお金を使って追い込みをかけているが、これらの現状を考えても、厳しい台所事情が伺える。

一方で、巨大スタジオや興行的成績を収めている『アバター』のような大作は大金を使えるわけで、ますますお金の力による差が生まれてくるのも事実。しかし総合的にみると、より正当な実力が試されることにもなり、良い傾向と言えるのではないだろうか。【NY在住/JUNKO】

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