神尾楓珠の笑顔を一番引き出したのは桜田ひより!?『大きな玉ねぎの下で』舞台挨拶

神尾楓珠の笑顔を一番引き出したのは桜田ひより!?『大きな玉ねぎの下で』舞台挨拶

爆風スランプ不朽の名曲にインスパイアされた映画『大きな玉ねぎの下で』(2月7日公開)の完成披露舞台挨拶が、1月15日にユナイテッド・シネマ豊洲で開催。W主演を務めた神尾楓珠、桜田ひよりのほか、山本美月、中川大輔、asmi、西田尚美、原田泰造、江口洋介、草野翔吾監督が登壇し、それぞれが互いの印象や撮影秘話、楽曲に対する想いを語り合った。

9名の豪華キャストとスタッフが初めて一堂に会した今回、会場に神尾たちが姿を現すと大きな拍手が上がり、スクリーンには本作を象徴する“大きな玉ねぎ”日本武道館も投影され、早くも熱気が高まるなか、イベントがスタート。

【写真を見る】笑顔で挨拶をする堤丈流役の神尾楓珠
【写真を見る】笑顔で挨拶をする堤丈流役の神尾楓珠

一般客に向けて本作が初お披露目される感想を問われた神尾は「僕らも完成した作品は試写で観たんですが、初めて観た日からけっこう時間が経っているので、ドキドキしちゃいますよね。自分ではどうしても客観的に観ることが難しいので、皆さんがどう感じられるのか気になります」と言いつつ「不安もありますが、評判がいい作品だと伺っているので(笑)、皆さんにちゃんと届けばいいなと思います」と笑顔でコメント。

桜田も「ちょうど去年のいまごろに撮影をしていたんですよね。長い時間をかけながらすばらしい作品を撮るために寒いなか頑張っていたので、ようやく観ていただけて素直にうれしい気持ちでいっぱいです」と感慨深い様子で語った。草野監督も「ようやく皆さんに観ていただけることがうれしいです。ドキドキしているのと、撮影以外でこの豪華なキャストの皆さんとお会いできる機会もないので、改めて今日華やかだなと感じました(笑)」と冗談混じりに語った。

喜一役の中川大輔
喜一役の中川大輔

神尾、桜田とそれぞれ共演シーンが多かったのは、丈流(神尾)の大学の友人、喜一役を演じた中川と、美優(桜田)のバイト先の先輩、篠田沙希役を演じた山本の2人だ。中川は「僕は丈流の親友役ということしたが、彼の本当の親友、(小柴を演じた)伊藤あさひも撮影が一緒で。2人の空気ができあがっているなかでしたが、今回は楓珠の笑顔をたくさん撮りたいと監督もおっしゃっていたので、僕はムードメーカーとして楓珠を笑わせてやろうと思い演じました」と当時を回顧しつつ「完成した映像を観たら一番いい笑顔を引きだしていたのは桜田さんだったので悔しかったです、勝てなかった!(笑)」と明かし、会場の笑いを誘った。

篠田沙紀役の山本美月
篠田沙紀役の山本美月

桜田は、神尾について「話してみたら気さくなお兄さんだったので驚きました。実は物静かな方なのかなと思って、ちゃんとコミュニケーションが取れるかなと心配していたのですが…(笑)。撮影現場でも本当にたくさん話しかけていただきました」と信頼ぶりをにじませた。一方、桜田と共演シーンが多かった山本も「ひよりちゃんは11歳年下で。年齢が離れているので最初はなにを話せばいいんだろうと思っていたんですが、いま流行りの骨格診断の話からモデルの話まで、いろんな話をさせていただきました」と微笑ましいエピソードを披露。

丈流の母役の西田尚美
丈流の母役の西田尚美

丈流の両親を演じた西田、原田と、ラジオナビゲーター役を担った江口らは、爆風スランプによる原曲「大きな玉ねぎの下で」がリリースされた40年前(1985年)当時について語った。当時15歳だったという西田は「爆風スランプの楽曲も歌番組で耳にはしていましたね。玉ねぎがなにを指しているのか、最初はわからなかったんですが、友だちに教えてもらったりして…。文通はしていなかったですが、手紙交換は流行っていたのを覚えています。なので、私はこの映画にキュンキュンしちゃいます」と自身の思い出と重ね合わせたとか。

丈流の父役の原田泰造
丈流の父役の原田泰造

西田と同年代の原田も「思いっきり反抗期でした。お母さんに怒られるようなこともあったと思いますが、お母さんには優しい素直な子どもだったかなと」と振り返りつつ、「好きな女の子もいたと思いますね。名前はカナちゃんで、『魔法の天使クリィミーマミ』っていうアニメに出てくるキャラクターの声にそっくりな…。1回付き合ったもののお別れして、その後13回くらい告白したこともありましたね」と熱烈なエピソードを告白し、観客を驚かせた。

ラジオ番組のナビゲーター役の江口洋介
ラジオ番組のナビゲーター役の江口洋介

一方、当時20歳だったという江口は「僕は文通の経験もないですが、この曲を聴くとドラマチックな気持ちになりますよね。武道館の横を通ると金色の“玉ねぎ”が見えて、誰かのライブがあると九段下を多くの人が歩いていて」と記憶を巡らせながらコメント。さらに爆風スランプのサンプラザ中野くんと交流があるという江口は、「当時、サンプラザ中野くんは“山口のばら”というペンネームで作詞を行なっていて。僕も音楽をやっていますが、2〜3曲ほど書いていただいたりとか、ディレクターさんが一緒だったりとか。そういった縁もあって当時を思い出しますよね」としみじみ語った。

本作のキーとも言える主題歌「大きな玉ねぎの下で」をカバーしたのは、いま“最もSNSで使われている声”としての呼び声も高い次世代アーティスト、asmi。同楽曲をカバーしているほか、劇中では丈流、美優が推す人気アーティストA-ri役としても出演している。Asmiはオファーを受けた心境について「めちゃくちゃうれしかったです!私が生まれる前にリリースされた曲だったので、この曲の想いをいまの世代の皆さんに届けられるように歌わなきゃと思うと責任重大だなと感じましたが、気合が入りました」と振り返った。

さらにイベントでは、asmiが同主題歌を披露。歌唱後は「こんなに緊張したのは初めてかもしれません(笑)」と本音をこぼすと、神尾は「情景がそのまま浮かんでくるような感じがありましたよね。爆風スランプさんの原曲はスレートな熱い想いが伝わるような感じですが、asmiさんが歌うと包み込んでくれるような感じがあって…心地よかったです」と惚れ惚れ。桜田も「撮影中はずっとこの曲を聴いて過ごしていたので、ようやく生歌唱を聴けるなんて!感動しました」と感激していた。

アーティスト A-ri役のasmi
アーティスト A-ri役のasmi

イベントの終盤では、本作のキャッチコピー「恋ってときどき、目にしみる。」というフレーズにかけて、最近思わずホロっときたエピソードについてクロストレック。神尾は「お正月に親戚の集まりがあって。20人くらい集まって過ごしていたんですが、集まった子ども達から“(昨年末に出演した)『逃走中』なんで捕まったの?”と言われたりもして(笑)。家に帰ってから疲れたなと思いつつ、1人になった時に楽しかったなと感じて、ホロッときちゃいましたね」と告白。

桜田は「最近だと仕事で泣くシーンがあったりもしました。そういったシーンの撮影がある日はどうしても憂鬱な気持ちになるんですが、その時は思いきり泣くことができてスッキリしました」とニッコリ笑顔を見せた。江口は「今日はこの作品の舞台挨拶があったので、朝『大きな玉ねぎの下で』をギターで弾いて気分を高めていたんですが、やっぱり詞の情景が浮かんできて思わずグッとくるものがありましたね」と語り、改めて楽曲のよさを噛み締めた。

村越美優役の桜田ひより
村越美優役の桜田ひより


イベントの最後には、神尾が「楽曲を知っている人も知らない人も楽しめる、恋愛映画としてすばらしい作品に仕上がっています。丈流は就活で悩んでいる姿も描かれますが、同じような状況の方がいれば少しでも背中を押すことができたらいいなと。ぜひ楽しんでいただきたいです」と、桜田は「私が出演している現代のパートだけではなく、平成初期のパートも素敵なシーンがたくさんあります。現代と過去がどのようにつながるのか、ぜひ楽しみにしていただけたら。幅広い世代の方に刺さる素敵な映画です」とそれぞれコメント。両者の温かい言葉に会場からは再び大きな拍手が湧き起こった。

※記事初出時、「サンプラザ中野くんは“山口のばら”というペンネームで作曲を行なっていた」としておりましたが、誤りであったことから、当該部分を修正させていただきました。訂正してお詫びいたします。

文/山崎伸子

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