妻夫木聡主演&大友啓史監督『宝島』アメリカ統治下の沖縄を描いた4種のアザービジュアル
妻夫木聡が主演を務め、広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太が共演する映画『宝島』(9月19日公開)から4種類のアザービジュアルが到着した。
本作は第160回直木賞をはじめ、第9回山田風太郎賞、第5回沖縄書店大賞を受賞した真藤順丈による同名小説を「龍馬伝」、「るろうに剣心」シリーズの大友啓史による監督で実写化したサスペンス映画。日本に見捨てられ、アメリカに支配された敗戦直後の沖縄を舞台に、米軍基地からの窃盗行為を行う“戦果アギヤー”と呼ばれる若者たちの姿を、圧倒的熱量と壮大なスケールで活写する。
このたび解禁されたビジュアルは計4種。米軍による営業許可証、通称「Aサイン」を掲げるバーが立ち並ぶ繁華街の雑踏、巨大なアメ車。すべてをアメリカに支配されていた当時の沖縄のリアルな空気感が漂う中、激動と混沌の時代を懸命に生き抜く、戦果アギヤーの日常が写しだされている。米軍基地から物資を奪い、戦果として困窮する住民らに分け与えていた若者たち。なにも恐れず未来を信じ突き進む彼らの勇ましい姿とともに、ビジュアルに添えられた「1952:WHEN OKINAWA WAS STILL UNDER US OCCUPATION.」というコピー。戦後の過渡期を全力で生きたグスク(妻夫木)、ヤマコ(広瀬)、レイ(窪田)そして、リーダーのオン(永山)らすべての若者たちの魂の叫びが感じられるデザインとなっている。
映画化にあたり「⾃分にできることのすべてをこの作品に投げ打った」と語るのは監督の大友。彼は本作について「戦争という悲劇は、その渦中のみではなく、それが終わった後の日常にも大きな影響を及ぼす。戦争を通して生まれた勝者と敗者という関係性は、その後の日々の暮らしの中にどんな爪痕を残していくのか。そして、その関係性は我々になにを与え、なにを奪っていくのか。宝島は、沖縄を舞台にした物語ですが、決してあの時代の沖縄だけにと留まる物語ではない。いまだ世界中で起きている戦争や紛争の本質に真正面から踏み込んでいく、そんな普遍性を持った物語だと思います。スタッフキャストが心を一つにし、同じ願いを持って取り組んだ作品です」とコメント。
企画開始からおよそ6年。戦後80年となる今年の公開に向けて「アメリカに統治された沖縄で“戦果アギヤー”と呼ばれた若者たちがなにを考え、なにを感じ、なにを大切にして生きていたのか。そこには混沌としていまの時代を生きていく上で、本当に大事なものはなにかをもう一度考えるヒントがある。映画というエンタテイメントの中で、日常の時間を忘れて、少しでもあの時代を追体験し、1⼈1⼈が⼼の中になにかを持ち帰っていただけたら」と思いを寄せた。
現在完成に向けて編集中の本作は、いよいよ完成間近。ハリウッドに拠点を置くLUKA Productions Internationalも製作に参加して日米共同製作で挑む本作の、追加キャストなどの気になる続報も引き続き要チェックだ。
文/スズキヒロシ