『PLAN 75』の早川千絵監督最新作!『ルノワール』が6月20日より公開決定
長編初監督作『PLAN 75』(22)が第75回カンヌ国際映画祭でカメラドール特別賞を受賞し、アカデミー賞日本代表にも選出された早川千絵監督。その最新作『ルノワール』が6月20日(金)より公開されることが決定した。
『PLAN 75』では高齢化社会が深刻化した近い将来の日本を舞台に、75歳以上の高齢者に生死の選択を迫る衝撃的な物語を描き、現代人に激しい警鐘を鳴らした早川監督。生きることを問いかける力強いメッセージが、多くの観客の胸を打ち、日本国内でも第65回ブルーリボン賞の監督賞&主演女優賞、第77回毎日映画コンクールの脚本賞、第46回日本アカデミー賞の優秀主演女優賞&優秀脚本賞を受賞するなど、同年の映画賞を総なめにした。
日本、フランス、シンガポール、フィリピン、インドネシアの国際共同製作作品となる『ルノワール』。本作で綴られるのは、日本がバブル経済真っ只中だった80年代後半の夏、闘病中の父と仕事に追われる母と暮らす11歳の少女、フキの物語。マイペースで想像力豊かなフキは、空想にふけりながら、それぞれに事情を抱えた大人たちと触れ合う。子ども特有の感情を細やかに描写するとともに、フキが関わる大人たちの人生のままならなさや、人間関係の哀感を温かなまなざしとユーモアを持って描きだす。
本作について早川監督は、「うれしい、楽しい、寂しい、怖い。子どもの小さな体に、はちきれんばかりに宿る感情。そこに『哀しい』が加わる時、人は初めて大人になるのかもしれません。子どもと大人の淡い境目をたゆたう少女の、複雑怪奇な感受性と豊かな孤独が親密さをともなって、この映画を観た人の心に触れることを願っています」とメッセージを寄せている。
主人公のフキを演じるのは鈴木唯。役柄と同様11歳だった彼女は、多数の候補者のなかからオーディションで主演に大抜擢された。フキの母、詩子役に石田ひかり、父の圭司役にリリー・フランキーと、数々の映画賞を受賞してきた名優に加え、フキが出会う大人たちには、中島歩、『PLAN 75』に続き河合優実、坂東龍汰ら大ブレイク中の若手実力派俳優陣が出演する。
本作は2024年7~9月にかけて国内で、11月には海外でも撮影が行われ、現在ポストプロダクション中。世界を照準にした2025年渾身の日本映画『ルノワール』に注目してほしい。