シャーリーズ・セロンが“フュリオサ”を超える華麗な格闘を見せる!?
一昨年大ヒットを記録した『マッド・マックス 怒りのデス・ロード』(15)での女戦士フュリオサ役で高評価を獲得したシャーリーズ・セロン。彼女が最強の女スパイを演じるアクション映画『アトミック・ブロンド』(10月20日公開)から、主人公ロレーン・ブロートンの身体能力の高さと頭のキレを窺わせるクールなアクションシーンが収められた映像が解禁された。
2003年に『モンスター』で伝説の殺人犯アイリーン・ウォーノスを演じ、それまでの美貌を封印した驚異的な役作りでアカデミー主演女優賞に輝いたセロンは、その後も『ワイルド・スピードICE BREAK』(17)など、数多くのヒット作に出演。女優になる前はバレエダンサーを目指していた彼女の、身体能力の高さを活かしてアクション女優としての地位を確立しただけでなく、持ち前の演技力も見せつけてきた。
本作で彼女が演じるのは、冷戦末期に極秘情報が記載されたリストを奪うために、イギリス秘密情報部MI6に雇われた凄腕の女スパイのロレーン。ジェームズ・マカヴォイ演じるエージェントとコンビを組み、任務を遂行していく彼女は、リスト奪還と同時にMI6に潜入している二重スパイを見つけ出すミッションを任されるのである。
今回解禁された映像は、どこかの部屋に侵入したロレーンが、踏み込んでくる警官を次から次へとなぎ倒していき、見事部屋から脱出する華麗なアクションシーン。注目すべきはセロンの体を張ったアクションと、目に入った物を何でも武器にしてしまう、アクション映画ではおなじみの光景。台所に置かれた手鍋から、冷蔵庫のドアまでも器用に操り、相手を倒していく。
本作でMI6のエージェントのひとり、ジェームズ・ガスコインを演じ、第2班監督も務めたサム・ハーグレイブは、彼女の戦闘スタイルについて「ジョン・マクレーンを複雑にしたもの」と、大ヒット作『ダイ・ハード』(88)でブルース・ウィリス演じた屈強で運の悪い男を例に出して語った。彼女のアクションは、握りこぶしで直接殴ることはせず、広げた手や拳を横にして打ち、すばやく肘で突き、手のひらで叩くという高度な技。相手が一発打つ間に、何発も攻撃を与える俊敏な動きは、セロンの身体能力があってこそ実現したのである。
また、映像中の室内で流れているのは、イギリスを代表するポップミュージシャン「ワム!」のメンバーとして活躍したジョージ・マイケルの代表曲「ファザー・フィギュア」。先日、グラミー賞で4冠に輝くサム・スミスがライブでカバーしたことで再び注目を集めているこの曲のムーディーさが、素早いアクションシーンを際立たせるコントラストを生み出しているのにも注目したい。
「X-MEN」シリーズのスピンオフとして大ヒットを記録した『デッドプール』(16)の続編を監督することが決まっているデヴィッド・リーチが監督を務め、セロンやマカヴォイのほか『キングスマン』(15)のソフィア・プテラや、ジョン・グッドマン、トビー・ジョーンズら実力派俳優が脇を固める本作。息つく暇も与えない華麗なアクションシーンの連続を、是非劇場で味わってもらいたい。【文/久保田和馬】