マイキー・マディソンら『ANORA アノーラ』キャスト3人が明かすキャラクター作りと作品への深い愛情

インタビュー

マイキー・マディソンら『ANORA アノーラ』キャスト3人が明かすキャラクター作りと作品への深い愛情

第97回アカデミー賞6部門にノミネートされた『ANORA アノーラ』が公開中だ。NYでストリップダンサーをしながら暮らす“アニー”ことアノーラ(マイキー・マディソン)はある日、ロシア人の御曹司イヴァン(マーク・エイデルシュテイン)と出会う。契約彼女から始まった関係だったが、贅沢三昧の休暇を過ごした2人は衝撃的に結婚。しかしイヴァンの両親が猛反対し、息子を連れ戻すためイゴール(ユーリー・ボリソフ)ら屈強な男たちを派遣し、大騒動へと発展していく。

MOVIE WALKER PRESSでは、主演のマイキー・マディソン、ユーリー・ボリソフ、マーク・エイデルシュテインの3人にロサンゼルスでインタビューを行い、彼らにとって本作が特別な作品となった理由を語ってもらった。

「アニーはとても情熱的で闘争心を持っている。繊細なのに常にそれを隠している」(マディソン)

「劇中、アニーは短期間にたくさんの経験をします。それぞれのシーンでアニーの感情がどのように動くかを理解し、彼女の言動がどのような表現になるかを正確に把握することが重要でした」と、BAFTA(英国アカデミー賞)で主演女優賞を受賞し、アカデミー賞でも主演女優賞にノミネートされているマディソンは役作りについて語る。「アニーはとても情熱的で、素晴らしい闘争心を持っています。繊細なのに常にそれを隠していて、とても防御的。彼女の人生や置かれた状況を考えれば、当然のことでしょう。そういった部分を表現することは、俳優として本当に興味深い経験でした」

パワフルなアノーラ役を熱演!主演に大抜擢されたマイキー・マディソン
パワフルなアノーラ役を熱演!主演に大抜擢されたマイキー・マディソン[c]2024 Focus Features LLC. All Rights Reserved. 

本作の監督を務めるのは『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』(17)などで知られるショーン・ベイカー。前作『レッド・ロケット』(21)がカンヌ映画祭コンペティション部門で初披露された際に、ユーリー・ボリソフが出演している『コンパートメントNo.6』が同じく出品されており、それを観たベイカー監督が、イゴール役をボリソフであてがきしたそうだ。


第97回アカデミー賞助演男優賞にノミネートされているユーリー・ボリソフ
第97回アカデミー賞助演男優賞にノミネートされているユーリー・ボリソフ[c]2024 Focus Features LLC. All Rights Reserved. 

今作でボリソフは、ロシア系移民の用心棒を演じている。「私は初めてアメリカに来て撮影をしました。私とイゴールが置かれている状況が似ていたので、『なんで俺はこんなところにいるんだ?』と周りを見渡し、なにが起きているのかを理解しようとしていました」とボリソフ。

「オーディションの演技を裸でやったんです」(エイデルシュテイン)

ロシアで最も期待される若手俳優の一人、マーク・エイデルシュテイン
ロシアで最も期待される若手俳優の一人、マーク・エイデルシュテイン[c]2024 Focus Features LLC. All Rights Reserved. 

イヴァンを演じたマーク・エイデルシュテインは、ボリソフの推薦でオーディションを受け、独特な方法でこの役に合格したという。「ショーン・ベイカー監督の映画のセルフテープ(演技を録画して送る)オーディションなんてできない、どうしよう!?と慌てていたら1週間も経ってしまって。そこで、最初の1テイクだけ送ろうと決めました。アニーとイヴァンのシーンで、タバコを吸いながら英語でセリフを言わなくてはいけなくて。覚えるのがとても大変でしたが、キャラクターは掴めた気がして。
そして、それらの演技を裸でやったんです(笑)。というのも、脚本にはお金持ちの設定と書いてあったのに、高級な服を持っていなかったから。ハリウッドでヌードのセルフテープを送るのはリスキーだと思いましたが、イヴァンのキャラクターはそういう存在でしょう(笑)」
ベイカー監督からは「いままで受け取ったなかで最高のセルフテープだった。この瞬間から、イヴァン役はマークのものになった」と絶賛の言葉をもらったという。

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