ダークヒーロー松坂桃李が沢尻エリカを弄ぶ!?『不能犯』予告映像が解禁!
2013年から集英社「グランドジャンプ」で連載中の同名コミックを、『ノロイ』(05)や『貞子vs伽倻子』(16)など、ホラー作品に定評のある白石晃士監督が映画した『不能犯』。現在放送中のNHK朝の連続テレビ小説「わろてんか」ではヒロインに想いを寄せる一途な旅芸人を好演している松坂桃李が、一転してダークヒーローを演じていることで話題の本作から、完成したばかりの本ポスターと本予告が公開された。
タイトルになっている「不能犯」とは、刑法用語で「行為者の主観的には犯罪の実行に着手したつもりでも、現実には結果の発生が不可能である」とされる概念をさす。たとえば、呪いをかけて人を殺そうとする場合や、殺意を持っていても、相手を死に至らしめる可能性がほぼゼロに近い行為を実行する場合であり、2006年に社会現象を巻き起こした映画『デスノート』も、まさにそれに当たる。
本作で松坂が演じるのは、黒いスーツを身にまとった男・宇相吹正。次々と起こる変死事件の現場で必ず目撃される彼は、SNS上で話題の殺し屋。電話ボックスに殺人依頼の紙を貼ると、そのターゲットを見つめるだけで殺すという噂が流れているが、いずれも病死や自殺、あるいは事故で、警察はそれを殺人として立証する証拠を見つけることができない。その事件を、正義感溢れる刑事・多田友子が追うクライム・スリラーだ。
今回完成した本ポスターでは、松坂が演じる殺人者・宇相吹が、俯きながらこちらを見つめ、その手の中には沢尻エリカ演じる多田、新田真剣佑演じる多田の部下・百々瀬、間宮祥太朗演じる川端のカードを握っている。あたかも宇相吹が彼らを弄んでいるかのように思わせる意味深な構図に、彼の決めゼリフとも言える「愚かだね、人間は」というコピーが踊る。
また、予告映像では宇相吹による変死事件の映像の数々と、事件を追う刑事・多田の凛々しい姿が映し出され、宇相吹が“マインドコントロール”で人を死に追いやっていると気付いた多田と百々瀬は、彼の行動を食いとめるため必死に追うのである。豪華なキャスト陣が登場するショットも数多く散りばめられており、本作への期待がますます高まる。
「人間の脆さと強さ、どちらが本当の姿なのか…」と語り、人々の絶望を操り、死へと導く宇相吹。そんな彼が多田に向かって「僕がコントロールできない人間」だと語りかける。そして、緊迫感溢れる病院での爆発シーンに、宇相吹と多田が対峙するシーン。最後には「チクショー!」と叫ぶ多田の姿。果たしてどのような展開が待ち受けているのか、想像もできない。
さらに予告映像では、本作の主題歌となるGLIM SPANKYの書き下ろし楽曲「愚か者たち」がお披露目された。圧倒的なボーカル力で注目を集めている男女二人組ロックユニットが、監督と何度も打ち合わせを重ねながら作り上げたこの楽曲は、宇相吹の決めゼリフとリンクした、気迫迫るテーマを持った楽曲に仕上がっている。こちらも要注目だ。
穏やかで爽やかなキャラクターが多い松坂の、これまでにない過激なキャラクターと『新宿スワン』(15)以来、約3年ぶりの映画出演となる沢尻エリカとの息もつかせぬ攻防劇に、公開が待ちきれない。『不能犯』は2018年2月1日(木)より全国公開となる。【文・久保田和馬】