元祖“壁ドン王子”山崎賢人「高校時代に壁ドンすればよかった…」
米澤穂信原作の<古典部>シリーズを初めて実写映画化した『氷菓』(公開中)。本作の公開御礼舞台挨拶が5日、今月4日にオープンしたばかりのTOHOシネマズ上野にて開催され、主演の山崎賢人と広瀬アリスの2人と、監督の安里麻里が登壇。本作の公式ツイッターで集められた、若者たちの質問や悩みに答えた。
本作は、アニメや漫画など様々なメディアミックスがされている、累計230万部突破のベストセラー小説を原作に“省エネ主義”の主人公・折木奉太郎が、好奇心旺盛のお嬢様・千反田えるに振り回されながら、様々な学園の謎を解き明かしていく学園ミステリー。今をときめく若手有望俳優たちの共演に、ホラー映画の旗手として定評のある安里監督が作り出す、古風な空気感が魅力の作品だ。
上映後に行われた舞台挨拶に「何でも言える!」とガッツポーズを見せた山崎は、劇中の役とは対照的の明るくエネルギッシュな姿で会場中を沸かせた。出来立てホヤホヤのTOHOシネマズ上野の傾斜の大きい座席を眺めながら「すごく上のほうまで見える」と言った安里に「上野だけに…」とダジャレをつぶやき、広瀬と安里からは呆れた反応を向けられる。さらに、先月末に行われた本作のハロウィンイベントで、汗だくになってしまったハプニングがあった広瀬に対して、そのことをネタにいじり倒す山崎。それには広瀬も「今日は通気性いいから大丈夫です!」と笑顔でツッコミ返した。
劇中でIQ未知数の推理力を発揮させていく奉太郎にちなんで、ツイッターで集められた質問にズバッと手短に解決させていくという今回の企画。ところが、奉太郎を演じた山崎ではなく、えるを演じた広瀬のほうがズバッと解決策を出していくというまさかの展開。“省エネ探偵”はその意見に便乗するという、新たな“省エネ”技を身につけたようだ。
受験生からの「不安を乗り切るためのアドバイス」には「こう見えて緊張しやすいんで…」と言う広瀬であったが「やるべきことは全部やり尽くして堂々と待っている」と強気なコメント。それでも「台本も全部完璧に覚えて、堂々と現場行って、本番で噛む」と笑いを取った。
さらに、この手のコーナーでは定番の「好きな人にアタックする方法」には「すぐストレートに言ってしまうのでわかんないですね」と、サバサバしたコメントを見せる広瀬。それには山崎も「かっこいいです」と思わず敬語になってしまうほど。
そんな中、現役高校生から「高校生に戻りたいと思ったことはあるか?」と訊ねられると「いろんな映画で高校生役やらせてもらって、こんなに気持ちのいい青春がたくさんあるんだ、と感じてきた」と、今まで演じてきた数々の“キラキラ”した高校生役を振り返った山崎。
それを受けて“キラキラ”した青春映画でおなじみの“壁ドン”が実際にあるのか、疑問を持った広瀬。客席に向かって訊ねてみると、実際にされたことがあるという人がいて「すごーい!」と驚きの表情を見せる3人。「それを聞いたら高校生に戻りたくなった」と、広瀬はうっとりした表情を見せた。
『L・DK』(14)や『オオカミ少女と黒王子』(15)など数々の少女漫画が原作の映画に出演し“壁ドン王子”との異名を持つ山崎は「影響与えてるのかな」と照れながらも、プライベートでやったことがあるか?との問いには「ないです」と即答。そして「高校のときに壁ドンすればよかった…」と小さな声で本音をつぶやいた。【取材・文/久保田和馬】