キャリー・マリガンとジュリアン・ムーア、同じ人物を演じる?
『17歳の肖像』(09)や『華麗なるギャツビー』(13)で有名な女優キャリー・マリガンが、米国のフェミニズム活動家グロリア・スタイネムを新作『An Uncivil War(原題)』で演じることが決まったと、米バラエティが報じている。
グロリア・スタイネムは、1960年代から米国で女性の社会的地位向上のための活動を行うアクティビストで、1963年にバニーガールの扮装をして、高級クラブ「プレイボーイクラブ」の実状を潜入取材した事でも有名だ。
『An Uncivil War(原題)』は映画『Mudbound(原題)』で既にキャリー・マリガンとコラボを組んだことがある、女性監督のディー・リースがメガホンを握る。同作は主にグロリア・スタイネムと人権弁護士のフローリンス・ケネディが、ERA(Equal Rights Amendment)と呼ばれる男女平等憲法修正条項の批准を要求した事実を描く。
ERAは、スタイネムの強い願いとともに1972年に連邦議会を通過するが、憲法修正に必要だった38州のうち、35州しか票が得られず不成立に終わった。米国では現在も男女の平等は憲法において規定されていない。
ハリウッドで問題視される男女間のギャランティの差や、相次ぐ著名人のセクハラ・スキャンダルにより明らかになったエンタメ業界の性的要求など、フェミニズムや男女平等といった題材は非常にタイムリーな内容だ。
実は同時に、これとは別の映画でグロリア・スタイネムの自伝「My Life on the Road」が同名で映画化されるようで、こちらの作品はミュージカル版「ライオン・キング」の演出で有名なジュリー・テイモアが監督、主役のグロリア・スタイネムをジュリアン・ムーアが演じることになっている。こちらの作品はまだ脚本段階だそうだが、『An Uncivil War(原題)』は製作が開始されることが決定している。
2人の演技派女優が、米国のフェミニズムを象徴する実在人物をどのように演じるかが注目されている。【文/小池かおる】