中条あやみ、志尊淳、小関裕太が挑んだ『覆面系ノイズ』での初挑戦
福山リョウコの人気コミックを実写映画化した『覆面系ノイズ』(11月25日公開)で、中条あやみ、志尊淳、小関裕太が共演。音楽をモチーフにした本作で、中条はボーカル、志尊淳はピアノとギター、小関裕太はベースに初挑戦した。3人にインタビューし、まるで高校の部活のようだったという現場について聞いた。
人を虜にする歌声をもつ高校2年生のニノ(中条あやみ)が、幼い頃から想い焦がれてきたモモ(小関裕太)と、モモがいなくなった後に出会った幼なじみのユズ(志尊淳)との間で心が揺れていく。『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』(16)の三木康一郎監督がメガホンをとった。
ボイストレーニングを積んでニノ役に挑んだ中条。「ボイストレーニングは今もまだ続けています。腹式呼吸や筋トレをやったり、走ったりと、劇中のやりとりさながらにやっていました。高校時代に友達が軽音部でバイトを組んでいて、私も入りたかったけど仕事で入れなかったので、ニノ役を演じられてうれしかったです」。
志尊はまずギターやピアノの扱い方から入り、必死に練習していったと言う。「ただ弾けるだけではダメで、ちゃんとアーティストとして弾けるように佇まいやリズムの取り方、演奏方法を勉強していきました。現場ではみんな仲が良かったけど、決して馴れ合いではなく、お互いにフォローし合うような感じで、和気あいあいと楽しくやらせていただきました」。
ギターは趣味で弾いていたという小関だが、ベースは初挑戦。「ユズとセッションするシーンに向けて練習していきました。元々ある曲をバンドとして弾くのではなく、その場で生まれたメロディをセッションするというシーンだったので、そういう雰囲気を出したかったんです」。
中条はクライマックスのライブシーンで心が高揚したそうだ。「ニノが最後にユズとモモのどっちを選ぶんだろう?という、いろいろあってからの豊洲ピットでのライブシーンでした。モモやユズの表情が切ないけどどこか晴れやかで、ニノも気持ちよく歌っています。それは10代特有の『高校生活がすべて』みたいな感じの楽しさですが、そこからみんながそれぞれ未来に向かって進もうとする。すべてが詰まったライブシーンになっています」。
志尊は完成した映画を観て、「この映画は恋愛要素や音楽の要素がテーマになっているけど、それぞれがいろんな思いを抱えながら葛藤しつつ、暗闇の中から一歩ずつ歩いていく物語だと感じました。絶対にぶれずに思い続けてきたことはいつしか自分の力になっていくんだなあと。感情的な台詞があまりない中、そういう思いが垣間見えるので、そういうメッセージをなにかしら感じ取ってもらえたらうれしいです」と話す。
普段からよく歌を口ずさんでいるという小関。志尊も「小関といえば音楽!」と言うと、小関も「僕の中で今回の現場はミュージカルみたいな感じでした」と、音楽パートをプッシュする。
「音楽を通して1つ1つがつながっていくんです。音楽がすごくエネルギーをもっているんだと感じられる映画だと思いました。本作を観て、初めて楽器に挑戦するのもいいと思うし、とにかく音楽部分を楽しんで観てもらえるとうれしいです」。
中条あやみら3人に加え、真野恵里菜、磯村勇斗、杉野遥亮という、今をときめく若手スターが音楽にのせて青春のきらめきや切なさを紡いだ『覆面系ノイズ』。劇中の覆面バンド「in NO hurry to shout;(通称イノハリ)」によるエッジのきいたナンバーもお楽しみに。
取材・文/山崎 伸子