アニメ版ゴジラに“まつげ”がある理由とは?虚淵玄も苦労を吐露
アニメーション映画『GODZILLA -怪獣惑星-』(公開中)のクリエイターズナイトが11月25日に新宿バルト9で開催され、静野孔文監督、瀬下寛之監督、虚淵玄(ストーリー原案・脚本)、演出の吉平“Tady”直弘、片塰満則(造形監督)、森山佑樹(CGキャラクター・デザイン)が登壇。ゴジラ映画史上初のアニメーション映画をつくり上げたクリエイター陣が制作秘話を明かした。
人類なき後に2万年もの間、地球を支配してきたゴジラと、彼らと対峙する人類との戦いを描く本作。『魔法少女まどか☆マギカ』の虚淵玄がストーリー原案と脚本を担当した。
瀬下監督は「すごくいい評判が多い。もちろん、それと同じぐらいお叱りも多い。『こんなのゴジラじゃない』とおっしゃる方も当然いらっしゃる」と率直な周囲の反応を吐露。「挑戦できましたよね?」と聞くと、虚淵は「ゴジラをやること自体が挑戦でしたからね」と日本文化を象徴するアイコン、ゴジラをアニメ化する苦労を明かしていた。
アニメーションとして新たなゴジラを描く上で、造形監督の片塰は「瀬下監督から『ただ凶暴な爬虫類にしてほしくない』と強く言われた」と、瀬下監督からは「神のような、威厳のあるゴジラ」というイメージが提案されたそう。片塰は「威厳というと、個人的にはギリシャの哲学者のようなイメージがある。白髪、長髪で、髪が風に吹かれてオールバックになっておでこが見えてるみたいな。そのあたりを、ゴジラのトゲの生え方に反映させていった」と明かしていた。
また片塰は「目をとにかく優しくしようと思った」とも。「憤りのある目ではなく、落ち着いた目にしようと。まつげをつけたりとかしています」と“優しさ”からイメージを膨らませたことで今回のゴジラにはまつげをつけているといい、「瀬下監督からは“猫の目”と言われました」とこだわりを話していた。
さらにこの日は、静野監督、瀬下監督、虚淵が“ゴジラ作文”を披露する一幕も。虚淵は「ゴゼン8時は、ジゴクのような、ラッシュアワー」とフリップにしたため、「基本的には在宅作業なんですが、アニメのお仕事をするとたまに朝8時とかに収録がある。そうするとラッシュアワーを味わうはめになる」とこぼしていた。
取材・文/成田 おり枝