アカデミー賞TVスポットが完売 視聴率上昇の見通し
7日に開催されるアカデミー賞視聴率は上昇する見通しで、オンエア中のテレビスポットが完売したとAP通信が報じている。
2008年10月のリーマンショックで、昨年は同賞のテレビスポットからアメリカの大手スポンサーが続々と撤退。視聴率の低下が止まらず、宣伝効果が疑問視されていたことも大きな要因だったと言われている。
しかし、今年は景気が回復していないにもかかわらず、30秒で150万ドル(1億3500万円)と言われているテレビスポットが完売。ドラマティックな賞レースが期待されるため、視聴率が伸びると予想されているからだ。
過去2年間の作品賞を見てみると、『ノーカントリー』(08)、『スラムドッグ$ミリオネア』(09)と地味めな上に、受賞前に予測がほぼ1作品に絞られており、視聴者の興味をそそるものではなかった。そのため、昨年は、ヒュー・ジャックマンを司会者に迎えて演出を一新した効果もあったものの、それぞれ視聴者は3200万人と3630万人と、若干上昇しただけだった。
しかし今年は、興行成績が世界ナンバー1に輝いたジェームズ・キャメロン監督作『アバター』が控えており、事態は一変すると予測されている。
というのも、13年間世界ナンバー1の座に君臨していた同監督作『タイタニック』(97)が作品賞を受賞した1998年の視聴者が、5500万人だったため。人々の関心度が高く社会現象まで引き起こした『アバター』には、人種や老若男女を問わない多くの人々が、関心を寄せていると考えられているからだ。
また、『アバター』とキャメロン監督の元妻キャサリン・ビグロー監督作『ハート・ロッカー』の一騎打ちが予想されている作品賞が、今の時点でも真っ二つに別れていて予測不可能なのも要因だ。ボックスオフィス映画と低予算映画、ファンタジーと現実、スペクタクルとアート、男性と女性(監督)といった、真反対の性質をもつ作品が火花を散らすという意味においても、サプライズを好む人々にとっては視聴意欲を掻き立てる大きな要因。『アバター』が、アカデミー賞の視聴率でも『タイタニック』超えを果たすのか注目だ。【NY在住/JUNKO】