アカデミー賞監督キャスリン・ビグローが、歴史の陰に隠れた“真実”に斬り込む!

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アカデミー賞監督キャスリン・ビグローが、歴史の陰に隠れた“真実”に斬り込む!

『ハート・ロッカー』(08)で女性監督として初めてとなるアカデミー賞監督賞を受賞したキャスリン・ビグロー監督の最新作『デトロイト』(18年1月26日公開)。その最新予告編が解禁された。

本作は、1967年に起きたアメリカ史上最大級の“デトロイト暴動”の渦中に発生した惨劇「アルジェ・モーテル事件」を描いた、手に汗握る社会派サスペンス。暴動発生から3日目の夜、モーテルで銃声があったとの報せを受けたデトロイト市警の白人警官らは、現場に居合わせた8人の若者たち全員を容疑者だと断定し、州兵らと共にモーテルに向かって一斉射撃を始める。

予告編では、その現場に立ち会い、若者たちを守ろうとした民間の警備員ディスミュークスが、取調室で衝撃の事実を語り始めるところから始まる。デトロイト暴動の映像と、モーテルを襲撃する警察と州兵たち。そして、不敵な笑みを浮かべる差別主義者の白人警官クラウスの姿。底知れぬ緊張感が、わずか60秒の映像から充分すぎるほど伝わってくる、手に汗握る予告編に仕上がっている。

その夜、逃げ場のない密室と化したモーテルで何が起きていたのか。デトロイト暴動からちょうど50年の節目を迎えた、今年の夏に全米で公開された本作は、わずか20館での限定公開ながら、週末の興行収入ランキングで上位に食い込む健闘をみせた。

これまで『ハート・ロッカー』ではイラク戦争に従事する爆発物処理のプロフェッショナルの姿をリアルに描写し、続く『ゼロ・ダーク・サーティ』ではウサマ・ビン・ラディンを追い詰めるCIA分析官を描いてきたビグローが、今度はアメリカの歴史の陰に隠れた“戦場”に目を向けたのである。彼女の力強く硬派な作風が活かされた骨太なドラマに仕上がり、いまだに人種問題が大きく取りざたされるアメリカ社会に警鐘を鳴らす作品となったことは言うまでもない。

主人公のディスミュークスを演じるのは、現在世界中で大ヒットを記録している『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』でフィンを演じ、来年には『パシフィック・リム:アップライジング』の公開も控えるジョン・ボイエガ。そして、狂気に満ちた警官クラウスを演じるのは、英国出身のティーンスターとして注目され『ナルニア国物語/第3章:アスラン王と魔法の島』に出演し、レオナルド・ディカプリオ主演作『レヴェナント 蘇えりし者』での演技で脚光を浴びたウィル・ポールター。

さらに、現在Netflixで配信中の話題作『マッドバウンド 哀しき友情』の好演で存在感を見せつけているジェイソン・ミッチェルや「アベンジャーズ」シリーズのファルコン役でおなじみのアンソニー・マッキーも出演。彼らの鬼気迫る演技にも、是非注目していただきたい。

文/久保田和馬

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