大晦日はダンシング「第九」!?映画館で“踊るコンサート”を楽しもう!
年末におなじみのメロディと言えば、ベートーヴェンの「第九」(交響曲第9番)。日本では年の瀬の風物詩として、演奏や合唱のコンサートが数多く企画される“お宝”クラシック音楽だ。この楽曲とダンスを融合した貴重な企画が東京で公演されていたのをご存じだろうか?映画『ダンシング・ベートーヴェン』(12月23日公開)は、2014年に実現した“踊るコンサート”「第九交響曲」の東京公演を追ったドキュメンタリーだ。
実現が困難だった‟踊る第九公演”
1964年、ブリュッセルのシルク・ロワイヤルにて初演された「第九交響曲」。天才振付家モーリス・ベジャール率いる20世紀バレエ団が踊り、20世紀バレエ史上に残る傑作と謳われた伝説のステージだ。世界各地で話題になるが、1978年の上演後、ベジャールにより封印され、2007年の彼亡き後は、再演不可能な幻の作品とされてきた。80人余の優秀なダンサーが不可欠な上に、オーケストラとソロ歌手、合唱団の総勢350人に及ぶアーティストを必要とする大規模な舞台のため、長年上演が実現しなかったという。
ところが、15年経った2014年。東京バレエ団とモーリス・ベジャール・バレエ団、世界的指揮者ズービン・メータ率いるイスラエル・フィルハーモニー管弦楽団の競演という一大プロジェクトとして、「第九交響曲」は奇跡の復活を遂げたのだ。
節目に相応しい、これぞ神聖なる芸術
映画では過酷な練習や度重なるリハーサル、ダンサーたちの情熱や苦悩といったバックステージが描かれる。そして驚くべきは、圧巻の本番パフォーマンス。魂を震わせる音楽と美しく壮大なダンスが、まるごと観客の前に現われ一体となり、ベートーヴェンの世界観を奏でていく。これはバレエ公演でもなく、コンサートでもなく、まるで神聖な芸術品のよう!
まもなく来る大晦日。25か国総勢350人の世界最高峰のアーティストたちが力を結集した空前絶後の一大スペクタクルを、映画館で体験してみてほしい!
文/トライワークス