サンドラ・ブロックとジュリア・ロバーツ オスカー女優の共通点
第82回アカデミー賞で、主演女優賞初ノミネートにして初受賞した『しあわせの隠れ場所』(公開中)のサンドラ・ブロック。2009年には、ジョニー・デップら大物スターを抑え、女性では1999年のジュリア・ロバーツ以来のマネーメイキングスターとなったサンドラだが、ジュリアとはオスカー受賞への道のりにおいても共通点が多い。
まず、ふたりともラブコメディーやロマンティックコメディーで確固たる人気を築く一方で、映画賞の賞レースとはさほど縁がなかったこと。そしてアカデミー賞を受賞したのが、実在の登場人物を描いた社会性の強いヒューマンドラマだった点だ。
ジュリアは巨大企業を相手に、史上最大級の集団訴訟を起こして勝利した女性のドラマ『エリン・ブロコビッチ』(00)でタイトルロールを、サンドラは見ず知らずの黒人をアメリカンフットボールのスタープレイヤーへと導くリー・アン役を好演。ふたりとも演じた人物を、モノマネではない生き生きとした表情で演じ切って絶賛された。
ちなみに、今回サンドラは、アカデミー賞の栄冠と、『All About Steve』でのラジー賞ワースト主演女優賞と、史上初のW受賞でも話題を振りまいた。彼女がラジー賞の授賞式にも現われ(通常は不名誉なので欠席)、受賞作『All About Steve』のDVDを会員にばらまいた時は「さすがは、サンドラ姉さん!」と拍手したくなった。
そういえば、ジュリアも過去に『ジキル&ハイド』(96)でワースト主演女優賞、『フック』(01)でワースト助演女優賞にノミネートされたことがある。ラジー賞ってある意味、人気投票のようなものだから、ふたりの知名度と人気度の高さを物語っているのだ。
いずれにしても、ふたり共、女優としての人気、実力、そしてお金が稼げるという大スターとしての3つの要素を兼ね備えた希有な女優だ。そういう意味でも、今回のサンドラの受賞については心から称えたい!【Movie Walker/山崎伸子】