“ダンディー鷹山”は何処へ!?舘ひろしがまさかの哀愁たっぷり激ダサおやじに変貌

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“ダンディー鷹山”は何処へ!?舘ひろしがまさかの哀愁たっぷり激ダサおやじに変貌

“ダンディー鷹山”の異名と共に30年にわたり歩み続けた代表作「あぶない刑事」シリーズが昨年、軽やかにフィナーレを迎えた舘ひろし。歳を重ねるにつれて魅力を増してきた彼が、一転して無気力でダサい中年オヤジを演じる『終わった人』(18年6月9日公開)。

定年を迎えたにもかかわらず、趣味なし・夢なし・仕事なし。世間からは“終わった人”と思われるようになった主人公・田代壮介。挙句に、わが家にさえも居場所を失った彼は、妻と娘にからかわれ一念発起。第二の人生を始めるため、奮闘を始めるのだ。

原作は、90年代にセンセーショナルを巻き起こしたドラマ「週末婚」や、大河ドラマ「毛利元就」、NHK朝の連続テレビ小説「ひらり」や「私の青空」など、数多くの作品を手がけてきた脚本家・内館牧子のベストセラー小説。彼女の著作が映画化されるのは、舘が主演を務めた『義務と演技』(97)以来21年ぶりとなる。

メガホンをとるのは「リング」シリーズなど、Jホラー映画の旗手としてハリウッドデビューも果たした実力派、中田秀夫。過去には手塚治虫原作の『ガラスの脳』(00)や、西島秀俊主演の『ラストシーン』(02)など、ホラー以外のジャンルでもその演出力の高さを証明してきた彼が「本当に撮りたかった作品」と語る本作で、コメディ映画という新境地に挑む。

このたび公開された特報映像は“あぶデカ”の面影がまったくない“三枚目”を演じる舘の、波乱に満ちた定年後が描かれる、中年の哀愁が漂う仕上がりになっているのだ。

会社からは華々しく送り出されるものの、家に帰れば何もすることがないでダラダラと毎日を過ごす田代。そして「俺、決めた」の一言から、ついに始まる彼の波乱万丈な第二の人生。黒木瞳演じる妻・千草の前で、大胆にも恋愛宣言。しかもそのお相手は、30歳差の広末涼子演じる九里。夜景の美しい川辺でのロマンチックな雰囲気に、だらしない表情を見せる。

さらに、スーツ姿で颯爽と街を闊歩し再就職を試みるも拒まれてしまったり、妻を温泉に誘うも即答で撃沈してしまったりと、実に世知辛い定年後の男の生き様を、まざまざと描き出したシーンの数々。何だか身につまされる思いを感じながらも、笑わずにはいられない。

あわせて解禁になったポスタービジュアルでは、まるで黒澤明監督の名作『生きる』(52)の志村喬を彷彿させるかのようにブランコに乗った舘ひろしが中央に写し出され、その横にはタイトルと同じぐらいの大きな文字で「暇だ。」と彼の人生の転機を象徴させる言葉が。

そして、実に情けない表情を浮かべ、頭の上にが鳩が乗っている始末。まさか舘ひろしのこんな姿を見る日が来るなんて誰が予想していただろうか。彼がたどる波乱万丈な定年後の人生の顛末は、公開までのお楽しみだ。

文/久保田和馬

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