カンヌの歴史を変えたソフィア・コッポラ最新作で、コリン・ファレルが“女の園”を惑わせる!?
『ヴァージン・スーサイズ』(99)や『マリー・アントワネット』(06)など独特の色彩美と繊細な心理表現で絶大な支持を集めるソフィア・コッポラ監督が、第70回カンヌ国際映画祭で女性監督として56年ぶりに監督賞を受賞した最新作『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』(2月23日公開)。洗練されたデザインのポスターと、緊迫感あふれる予告編が同時に解禁された。
本作は、過去にクリント・イーストウッド主演で映画化されたことがある、トーマス・カリナンの小説「The Beguiled」を女性視点で描きだした愛憎スリラー。南北戦争下のアメリカ南部を舞台に、女性7人が暮らす世間から隔絶された寄宿学校に、北軍の負傷兵が訪れることから物語がはじまる。
この度公開されたポスタービジュアルは、これまでのソフィア作品のイメージから一転、白を基調としたデザインの中で主要キャストであるニコール・キッドマン、キルスティン・ダンスト、エル・ファニングの3人がそれぞれ違う方向に視線を送っている意味深なデザイン。傍らにはひっそりとコリン・ファレルの姿があり、彼を覆うレースカーテンには鮮やかな血の跡も描かれているのだ。
また併せて解禁された予告編は、ファレル演じる兵士が女性たちに助けられる様子から始まり、甘い言葉に惑わされるキッドマン、紳士的な兵士に心を奪われ熱いキスを交わすダンスト、そしてしたたかに誘惑の素振りを見せるファニングと、彼女たちの眠っていた欲望が1人の男をめぐって狂い始めていく様が緊迫感たっぷりに描きだされている。
かの巨匠フランシス・フォード・コッポラの娘として、類い稀なる才能を受け継いだソフィア。監督6作目にして最高傑作との呼び声も高い本作を引っさげ、1月16日(火)には前作『ブリングリング』(13)以来4年3か月ぶりに来日が決定。さらに監督業20周年を記念したメモリアルフォトブックの発売と、写真展の開催も決定している。
文/久保田和馬