第75回GG賞ドラマ・シリーズ部門で「ビッグ・リトル・ライズ」が大旋風!配信作品が存在感を示す
現地時間1月7日に行われた第75回ゴールデングローブ賞授賞式。映画部門とは異なり作品と俳優だけを称えるというスタイルのテレビ部門は、テレビ界最高の栄誉であるエミー賞以上のポップさが魅力だ。
そんな今年のゴールデングローブ賞の注目は、やはり配信ドラマの台頭である。〈ドラマ・シリーズ部門〉の作品賞に輝いた「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」はHulu作品。〈コメディ・シリーズ部門〉の作品賞に輝いた「マーベラス・ミセス・メイゼル」はAmazonビデオ作品と、両部門ともに人気の高いテレビドラマを抑えて、2017年にスタートしたばかりの配信ドラマが頂点に輝いた。
また「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」と接戦が噂されていた、昨年の〈ドラマ・シリーズ部門〉で作品賞に輝いた「ザ・クラウン」をはじめ、同部門にノミネートされた「ストレンジャー・シングス」、そして〈コメディ・シリーズ部門〉で主演男優賞を獲得した「マスター・オブ・ゼロ」など、ここ数年映画界でも注目を集めているNetflix作品も存在感を示したのである。
一方で、〈リミテッドシリーズ&テレビ映画部門〉で大旋風を巻き起こしたのは、エミー賞でも8部門を受賞した「ビッグ・リトル・ライズ」。この部門の作品賞と主演女優賞に輝き、全部門共通となる助演男優賞と助演女優賞も受賞した。
『ダラス・バイヤーズ・クラブ』(13)などで知られるジャン=マルク・ヴァレが監督を務め、ニコール・キッドマンとリース・ウィザースプーンのオスカー女優2人が主演とプロデュースを務めた本作。さらに『ターザン/REBORN』(16)での熱演も記憶に新しいアレクサンダー・スカルスガルドや『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』(17)にも出演している大ベテラン、ローラ・ダーン。彼らスクリーンで活躍してきたスターが一挙に出演している本作の豪華さを見ると、映画とテレビドラマの垣根がすっかりなくなっているのだと改めて実感させられる。
しかも、この部門の主演男優賞はそのままアカデミー賞のノミネートと言われても違和感がないほど豪華な顔ぶれが揃った。ロバート・デ・ニーロにジェフリー・ラッシュといったアカデミー賞受賞経験者に、ジュード・ロウとユアン・マクレガーら英国出身の俳優たち。そして華々しく再開した「ツイン・ピークス」シリーズのカイル・マクラクラン。
受賞を果たしたのはこれまで大きな賞と縁がなかったユアン・マクレガー。この部門の主演賞カップルは偶然にも『ムーラン・ルージュ』(01)の2人となった。
受賞結果は以下の通り。
〈ドラマ・シリーズ部門〉
作品賞 「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」
主演男優賞 スターリング・K・ブラウン「THIS IS US 36歳、これから」
主演女優賞 エリザベス・モス「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」
〈コメディ・シリーズ部門〉
作品賞 「マーベラス・ミセス・メイゼル」
主演男優賞 アジズ・アンサリ「マスター・オブ・ゼロ」
主演女優賞 レイチェル・ブロズナハン「マーベラス・ミセス・メイゼル」
〈リミテッドシリーズ&テレビ映画部門〉
作品賞 「ビッグ・リトル・ライズ」
主演男優賞 ユアン・マクレガー「FARGO/ファーゴ」
主演女優賞 ニコール・キッドマン「ビッグ・リトル・ライズ」
〈共通部門〉
助演男優賞 アレクサンダー・スカルスガルド「ビッグ・リトル・ライズ」
助演女優賞 ローラ・ダーン「ビッグ・リトル・ライズ」
文/久保田和馬