満島ひかりが大熱唱する“しじみ工場”のおかしな社歌って?
『愛のむきだし』(08)で国内の映画賞を総ナメにした満島ひかりが、病に倒れた父に代わり実家のしじみ工場を継ぐことになったOL・佐和子に扮するコミカルな人間ドラマ『川の底からこんにちは』(5月1日公開)。現代の日本を反映させたような作風はもとより、彼女が劇中で歌うしじみ工場の社歌が珍妙だと評判を呼んでいる。
まずは下記の全歌詞を見てもらおう。
「上がる上がるよ消費税 金持ちの友達一人もいない 来るなら来てみろ大不況 その時ゃ政府を倒すまで 倒せ倒せ政府 シジミのパック詰め シジミのパック詰め 川の底からこんにちは 一度や二度の失敗と駆け落ちぐらいは屁の河童 駄目な男を捨てられない 仕事は基本つまらない 中の下の生活 所詮みんな中の下 楽しいな 楽しいな (佐和子の台詞・・・中の下 中の下 どうせみんな大した人生じゃないし 鼻っから期待してませーん) シジミのパック詰め シジミのパック詰め 川の底からこんちは」
これは“私なんて所詮、中の下の女ですから!”と開き直ったヒロインが、会社の経営再建のため、従業員のおばちゃんらみんなの気持ちを込めて新たに作り出したものだが、アナーキーではあるものの、元気が出てくるような歌詞で、思わず一緒に声に出して歌ってしまいたくなるはず。
作詞を担当したのは、『剥き出しにっぽん』でPFF2007グランプリを受賞し、国内外で注目を浴びる本作の監督、石井裕也。「中途半端なまま生きてきた人間たちが反逆する姿、何かに対して抗う姿を描きたい。夢も希望ももちにくい世の中にあって、どうすれば希望を持ち続けることができるかを描くことが挑戦でした」と語るように、ちょっと元気がない人は、本作で前向きに生きるパワーをもらってみてはいかがだろう。
なお、公開劇場窓口で発売中の前売券には“しじみ”がプリントされたキュート(?)な“元気ハツラツ!!しじみ手ぬぐい”がついてくるので、劇場で大笑いして汗をかいたら、手ぬぐいで汗をぬぐうのもいいかも。【トライワークス】