文豪ブームはまだまだ続く!お次は太宰のライバル川端康成|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
文豪ブームはまだまだ続く!お次は太宰のライバル川端康成

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文豪ブームはまだまだ続く!お次は太宰のライバル川端康成

「ヴィヨンの妻」「パンドラの匣」「人間失格」といった太宰治の小説、ベストセラーとなった小林多喜ニの「蟹工船」、梶井基次郎らの名作短編小説を映像化したテレビドラマ「BUNGO 日本文学シネマ」など、ちょっとした文豪ブームの今。そんな中で、またしても文豪作家の小説が映画化される。日本人初のノーベル賞作家、川端康成の同名小説を映画化したオムニバス・ムービー『掌の小説』(3月27日公開)だ。

40年余りにわたって書き記され、川端文学の集大成とも言える122篇もの珠玉の作品が収められた短編集「掌の小説」。その中から、病に伏せる女のために奔走する男の姿を描く『笑わぬ男』、情婦として暮らす女性が、ありがとさん呼ばれるバスの運転手に思いを馳せる『有難う』、ロシア人のアンナに魅せられ、毎夜、彼女が泊まる宿をのぞく男の姿を描いた『日本人アンナ』、桜の木の下で凧をあげ、かつての恋人と遭遇する「不死」の4編を映像化。それぞれ“桜”を共通テーマとして、日本古来の美しさや日本人女性のたおやかさ、妖艶な姿を丁寧につづっている。

川端と言えば、奇しくも芥川賞選考で太宰を批判し、文章で言い争いとなった太宰の宿敵である。これまで、映像化が難しいとされ、比較的映画化作品が少なかった太宰治に対して、日本人の美学を繊細な表現で追求した川端康成の小説は映像的であるためそれが多い。代表作「伊豆の踊り子」や「雪国」、「古都」など、これまでに幾度となく映像化されてきた。

川端康成と太宰治、すでに故人の2人だが、その因縁の対決は今、この文豪ブームの渦中で下されるのかも!?【トライワークス】

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