みんなジャガイモ?『ソラニン』キャストが語る青春の毒素

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みんなジャガイモ?『ソラニン』キャストが語る青春の毒素

浅野いにお原作の人気コミックを映画化した『ソラニン』(4月3日公開)。タイトルのソラニンとは、ジャガイモの芽などに含まれる毒。多量に摂取すれば中毒症状を招くなど危険な成分だが、ジャガイモ自体が成長するには必要不可欠でもある。それは、青春時代に抱く不安や痛みと同じ。主演の宮崎あおいをはじめとするキャストが、それぞれが抱く“ソラニン”について語ってくれた。

主人公・芽衣子に扮した宮崎あおいは、女優として順風満帆に見えるが、今まさにソラニンを感じている最中だという。「今まであまり悩んだことがなかったんですけど、やりたいことが見えているはずなのに、ちょっとモヤモヤして見えずらかったり、そこへ向かうための歩き方が分からなくなってしまったりすることが最近増えてきたんです。たぶん、こういう時期を超えて、また違う壁にぶつかる。その繰り返しだと思う。今はそれをどう乗り越えるかということが大事だと思っています」と現在の悩める心境を明かした。

加藤役を演じたサンボマスターの近藤洋一は、「まるで電車の発車のベルが鳴るように、自動的に前に進むタイミングがやってくる。悩んでる人も多いと思いますが、本当に好きなことや好きな人、そして大切な仲間など、何かひとつでも見つけられていたら、そういうタイミングが来たときに良い方向に動き出すと思います」と熱く語った。

「痛みへの“慣れ”と“強さ”はちょっと似てると思う」と話すのは、ビリー役の桐谷健太。「若い頃は痛みに慣れていないから、全部真正面からぶつかってすごく痛い思いをする。いろんなことを経験するとだんだん強くなっていく。でも、それって慣れちゃっただけじゃないかなって思うときがある。だからソラニンっていう毒素は大事にしていきたいですね。…だから『ソラニン』見てね(笑)」とコメントした。

芽衣子の親友で、加藤の恋人のアイ役を演じた伊藤歩の「ソラニンってジャガイモの毒素。だから…みんなジャガイモ?」という突飛な発言には一同爆笑!「ジャガイモは新しいジャガイモを生むためにそこから芽を出す。成長するには毒が出ることもある、人を傷つけることもある。そこからまた新しい種が生まれて…みんなジャガイモになる?(笑)」というユーモアたっぷりの説明に、宮崎はほほ笑みながら「一番イイコト言ってる!」と納得した様子だった。

今まさに『ソラニン』のように将来に不安を抱いている若者や、かつてそんな日々を乗り越えてきた大人たちも、それぞれの青春の毒素=ソラニンに思いを馳せながら映画を楽しむと、心の中に新しい芽が生まれるかもしれない。【取材・文/鈴木菜保美】

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