ユアン・マクレガーがウディ・アレン監督との仕事で驚いたことって?

インタビュー

ユアン・マクレガーがウディ・アレン監督との仕事で驚いたことって?

ウディ・アレンが『マッチポイント』(05)、『タロットカード殺人事件』(06)に続いてロンドンで撮影した“ロンドン3部作”最終章『ウディ・アレンの夢と犯罪』(3月20日公開)の主演俳優ユアン・マクレガーを直撃。ユアンはウディ・アレン監督の刺激的な現場について語った。

『ウディ・アレンの夢と犯罪』は、ある兄弟が格安の小型クルーザーを手に入れたことから、人生が思いもよらぬ方向へ転がり出すという予断を許さないサスペンスドラマだ。

ウディ・アレン監督と仕事をする前は、いろんな心構えをしたと言うユアン。「あらゆる類いの矛盾した逸話を聞いたり、彼と俳優との関係についてのかなりの証言を読んだりしました。俳優に直接話しかけないとか、名前で呼ばないとか、演技指導をしないとかね。でも実際には、全くそうじゃなかったです。僕は、現場で本当に熱心に演技指導する監督に直面しました」。

ウディ・アレン監督の撮影方法は、とてもユニークだったとか。「ほとんどの場面が一つの大きさのフレームの中で演じられ、それらはほぼ長回しのシーンでした。少なくとも(脚本の)10〜11ページ分はありましたね。また、監督がアップを撮ることは非常にまれで、インサート・カットをしない。だから俳優は、常に最良の状態でなくてはいけなかった。しかも3回以上のテイクをとることもまれでした」。

そのため、弟役のコリン・ファレルと共に、ユアンは毎朝楽屋で台詞の稽古をしたと言う。「ウディが僕たちに場面と動き方についての指示を与える時にはしっかり準備ができているように、メイクの間も稽古を続けました。あまり経験のない監督からあれだけの詳しい説明があったらうんざりしたかもしれないけど、彼からの指示は、逆にとても気持ちをほぐしてくれるものだったことは確かです」。

ユアンが意外に思ったのは、ウディ・アレン監督がユアンたちの演技のアドリブを快く受け入れてくれたことだと言う。「彼はよく『自分が書いた脚本は、君がしたいように自由に練り上げるための土台でしかない』と、繰り返して言っていて。ジャズミュージシャンらしい考え方ですね。だから僕は彼の寛容につけこんで、いくつか細かい点を申し出て、常に現状のまま自己満足しようということは考えなかったです」。

ユアンのコメントを聞いて、ウディ・アレンがなぜ、いろんな俳優にオスカー像をもたらしたのかが分かる気がした。常に俳優を最良のコンディションで演じられるよう導いていたからだ。

『ウディ・アレンの夢と犯罪』の脚本についてユアンは「とても優れており、思いがけない結末の物語はエキサイティングで、本当によく作り上げられていると思いました」と太鼓判を押した。その出来をぜひ劇場で確かめてみてほしい。【Movie Walker】

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