「ストレンジャー・シングス」ファンも必見!新感覚SF『KIN/キン』に注目すべき理由とは?
奇妙な金属のケースを手にしたことで謎の追跡者に追われることになる少年と、街のギャングに命をねらわれるその兄との逃避行を描く11月29日(金)公開のSFサスペンス『KIN/キン』。本作には大ヒットドラマ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」を手掛けたショーン・レヴィらが製作に名を連ねており、オリジナリティ溢れる世界観とともに、共通するような要素も多く詰まっている。
養父のハル(デニス・クエイド)と共に暮らす少年イーライ(マイルズ・トゥルイット)。クズ鉄集めに足を運んだ廃墟で見慣れない金属ケース型のハイテクな銃を発見した彼は、それを家に持ち帰ってしまう。時を同じくして、出所し家に帰ってきた兄のジミー(ジャック・レイナー)だったが、彼は街のギャングから借りた大金の返済を迫られていた。そんな時に起きたあるアクシデントからギャングに家族ともども命を狙われる羽目になり、ジミーとイーライは逃避行の旅へ。するとそこにイーライが持つ銃を狙う異世界からの追跡者も現れ…。
極彩色を用いたポップな映像や音楽など、テイストに「ストレンジャー・シングス」との共通項を感じさせる本作。それ以外にも主人公の子どもが強大な力を手にし成長する姿や異世界から来たものとの遭遇、そこに悪の組織が絡んでくる三つ巴の構成など、ストーリー面でも通じるような部分がいくつも見出せる作りとなっている。
またSF的要素を持つ本作だが、根幹に描かれているのは逃避行を通し義理の兄弟が絆を築いていくというドラマ。この義理の兄弟が危機を経験し通じ合っていくという部分も「ストレンジャー・シングス」ではシーズン3全編にわたって、少女マックスと義理の兄ビリーの関係の変化として描かれており、マインドの近さを伺うことができる。また兄弟という点で言えば、『KIN/キン』を監督するジョナサン・ベイカーとジョシュ・ベイカーは双子だが、「ストレンジャー・シングス」のクリエイターもまたマットとロスのダファー兄弟で彼らも双子。兄弟のドラマへのこだわりが見え隠れするのも、双子ならではと言えるだろう。
大まかな話の流れは異なるが、上記のようにシンクロする部分も多く、なにより、展開から目が離せない物語の楽しさが詰まっている本作。「ストレンジャー・シングス」のファンならずとも、観てみて損はないはずだ!
文/トライワークス