つぶらな瞳の黒ネコや白ネコがかわいい!“素朴派”の癒し絵ギャラリー【イラスト12点】
とぼけた顔のネコや、まつ毛が可愛らしい牛などのユーモラスな動物たち。鮮やかな色彩と優しいタッチで描かれた風景。カナダの小さな港町で、絵を描き続けた素朴派の人気画家モード・ルイスの絵画は、愛とユーモアに満ち、観る者を幸せにしてくれる。彼女と夫の半生を描く映画『しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス』(公開中)は、そんな絵の魅力が溢れる感動作だ。
日本ではあまり知られていないが、モード・ルイスはカナダでは最も有名な画家。重いリウマチにより幼いころから手足が不自由で、一族から厄介者扱いされてきた彼女は、孤児院出身の夫に出会い、はみ出し者同士として次第に絆を深める。そして、生きがいであった絵の才能を認められ、花開いていく。そんな人生の喜びについて考えさせられる夫婦の物語を、劇中では『シェイプ・オブ・ウォーター』(公開中)で本年度アカデミー賞ノミネートされているサリー・ホーキンスとイーサン・ホークが至極の演技で演じている。
闘病しながら、毎日、心の赴くままに我流で絵を描き続けたモード。家の壁から階段、家具や掃除道具まで、家中に絵を描き、おんぼろ小屋を可愛らしいアートハウスにしてしまう。ポストカードや板に描いた絵が売れ始め、雑誌やテレビで紹介されると、アメリカのニクソン大統領からも注文依頼が来るほどの評判に!
田舎の風景、動物、草花、鳥などをモチーフに描かれた温かみ溢れるシンプルな絵の数々は、美術専門家に評価を受けるべき技巧に富んだアートとは一線を画している。なにより、彼女が絵を描くことを喜び楽しんでいるのが伝わってくる、子供のように無垢な絵。有名になっても、電気も水道もなく、わずか4メートル四方の小さな家で、生涯慎ましく暮らした彼女の絵への関わり方は、アートの在り方を私たちに問いかけてくるよう。
ルイス夫妻の愛すべきキャラクターと、その人生を包み込む幸福感いっぱいの絵。愛らしくちょっと不器用なモードの世界は、私たちの心をぱっと明るく照らし、癒してくれるはず!
文/トライワークス