『娼年』の松坂桃李「最初は面食らうかもしれないけど、自信のある作品です」
石田衣良の同名小説を、2016年の舞台化に引き続き、主演・松坂桃李、監督・三浦大輔のコンビで放つ『娼年』(4月6日公開)の完成披露舞台挨拶が、3月12日にTOHOシネマズ新宿で開催され、松坂桃李らキャスト12名と三浦監督が登壇。女優陣と幾通りものラブシーンにトライした松坂は、過酷だった撮影について「きつかったですね」と笑顔を見せた。
『娼年』は、センセーショナルな映像表現が話題のラブストーリー。会員制ボーイズクラブの娼夫となった大学生(松坂桃李)と、彼が出会う女性たちとの物語がつづられる。舞台挨拶には、松坂、真飛聖、冨手麻妙、猪塚健太、桜井ユキ、小柳友、馬渕英里何、 荻野友里、佐々木心音、大谷麻衣、西岡徳馬、江波杏子ら12名のキャストが登壇した。
松坂は本作について「期待や不安もありますが、三浦監督と責任を割り勘しようという意識のなかで舞台と映画をやってきたので。このメンバーだったら僕に怖いものはないですね」と力強く挨拶をした。
三浦監督は「キャストさんもそうですが、スタッフさんも本当に大変でした。心からそう思いますが、それはスクリーンに刻まれているかと思います」と手応えを口にした。
真飛は過酷な撮影について「短期集中型」だったと振り返り「気がついたら今日が何日かわからなくなるくらい、ずっと撮影しっぱなしという日もありました」と激白。
冨手は、撮影を通して松坂が変化していったと語り「(演じた)リョウくんとしてぜんぜん違う人間になっていった。役者としてさすがだなと尊敬しました」と称える。また冨手が「タフな撮影だったのにバナナ1本を食べているところしか目撃しなくて」と言うと、松坂は「集中できるので食べてました。好きじゃないんですが」と苦笑い。
最後に松坂は、本作について「僕がいままで携わってきた作品のなかで、これほど入口と出口が違う作品もなかなかなかったなと。ものすごく余韻を楽しめる作品だと思います。最初は面食らうかもしれないけど、劇場を出る時は軽やかな会話が繰り広げられるんじゃないかなと。それほど自信のある作品です」と締めくくった。
取材・文/山崎 伸子