問題作“scope”が投げかける性犯罪者監視法とは
5月1日(土)から公開される『scope』は、多くの先進国で実際に性犯罪者を対象に執行されている“性犯罪者監視法”の是非を問う問題作だ。
04年の奈良女児誘拐殺人事件において日本国内でも制定に向け検討されている“性犯罪者監視法”。性犯罪で有罪になった者が刑期を終えた後もその情報を登録し、一般に公開するというアメリカのメーガン法をはじめ、性犯罪者に出所後の居場所を把握できるようにする「電子足輪」を最大10年間装着させる韓国など、多くの先進国で施行されている。だがその一方、犯罪者の社会復帰を妨げ、憎悪から住民が犯罪者に危害を加えたりと社会問題にもなっているのが現状だ。
本作は“性犯罪者監視法=scope法”が施行された近未来の日本で、元性犯罪者の青年と、障害を抱えた少女の心の交流を描いた人間ドラマ。犯罪加害者としての本当の意味での贖罪や、被害者との和解という法律では裁けない現実的な問題をリアルに映し出す。犯してはならない罪ではあるが、それを通して人間の心理をのぞくことができるだろう。
日本にも“性犯罪者監視法”が施行される日が来るかもしれない。その前に本作を見て、その是非を考えてみるのもよいだろう。
また、5月22日(土)〜6月18日(金)のアップリンクでは追加上映も決定している。21日(金)まではレイトショーとなっているが、この期間は連日11時より上映予定なので、早い時間で鑑賞したい人にはオススメ。このチャンスにぜひ劇場へ足を運んでみよう!【トライワークス】
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