セクハラスキャンダルを乗り越え映画人の情熱が結集!リドリー・スコット最新作『ゲティ家の身代金』予告編が完成
1973年に実際に起きた世界一有名な誘拐事件を「エイリアン」シリーズや『オデッセイ』(15)のリドリー・スコット監督が映画化した『ゲティ家の身代金』が5月25日(金)から公開。このたび豪華俳優陣の重厚な演技が余すところなく映し出された予告編が解禁された。
総資産50億ドルを持つ世界一の億万長者ジャン・ポール・ゲティ。ある日、彼の孫であるポールが誘拐され1700万ドルの身代金が要求される。しかし“世界中の全ての金を手にした”大富豪でありながら、稀代の守銭奴であったゲティはその支払いを拒否。ポールの母ゲイルは愛する息子を助け出すために奔走することに。
このたび到着した予告編は約3分にも及ぶ長さで、その中に熾烈な演技合戦を繰り広げていく名優たちの存在感と、世界中を騒がせた異常すぎる事件の様子が緊迫感たっぷりに描き出されていく。
世間の好奇の目にさらされながら大富豪と誘拐犯に立ち向かうゲイルを演じるのは『マリリン 7日間の恋』(11)や『マンチェスター・バイ・ザ・シー』(16)などこれまで4度アカデミー賞にノミネートされているミシェル・ウィリアムズ。そして元CIAの交渉人チェイスを、コミカルな役からシリアスな役までこなすマーク・ウォルバーグが演じる。
2017年秋にハリウッドを揺るがせた相次ぐセクハラスキャンダルの中、本作の動向に大きな注目が集まった。当初ゲティを演じる予定だったケヴィン・スペイシーが告発され、スコットは公開1か月前にも関わらず彼の出演シーンをすべてカット。代役に立てて再撮影を行うことを決めたのだ。
その英断が高く評価されたかのように、スコットはゴールデン・グローブ賞の監督賞にノミネート。また代役で急遽ゲティを演じた名優クリストファー・プラマーはゴールデン・グローブ賞とアカデミー賞両方で助演男優賞にノミネートされ、史上最年長のアカデミー賞候補としてその名を賞史に刻むこととなった。突然の抜擢でありながら、その類稀なる存在感を遺憾なく発揮したプラマーの演技にも注目だ。
また、予告編とあわせて到着した場面写真からも本作の緊迫した状況や、荘厳な雰囲気が伝わってくる。巨匠リドリー・スコットの飽くなき映画への執念が込められた極上の誘拐サスペンスであり、1人の母親の強さを描き出した珠玉のドラマでもある本作。その完成度の高さに期待していただきたい。
文/久保田 和馬