GW注目女優の満島ひかりは「毒キノコ」みたいな人?|最新の映画ニュースならMOVIE WALKER PRESS
GW注目女優の満島ひかりは「毒キノコ」みたいな人?

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GW注目女優の満島ひかりは「毒キノコ」みたいな人?

恋も仕事も妥協した日々を過ごすOLの佐和子。上京5年目のある日、父親の病を機に帰郷した彼女は、家業の“シジミのパック詰め”工場を引き継ぐのだが…。中途半端に生きる女性が逆境に対峙していく姿をユーモラスに描いたドラマ『川の底からこんにちは』(5月1日公開)で、そんな佐和子を好演するのが、若手女優の注目株・満島ひかりだ。

「脚本がメチャメチャ面白くって『絶対参加しなきゃ!』と思った」という彼女は、監督との面接で佐和子役を勝ち取るべく、せいいっぱいの攻勢に出たという。

「面接には『ダサい格好で来て』って伝えられていたので、ノーメイクの寝起き顔にボサボサ寝ぐせもそのままで、着古したセーターとジーパン姿で行ったんです。そんな格好で偉そうに『私を使わなきゃ損しますよ』って、偉そうに大したことない話をしゃべり続けて、頑張って勝気に攻めた記憶があります」

「この映画に参加したい」というまっすぐな気持ちや力強いアピール、そして媚びない素振りが石井裕也監督に響き、彼女は佐和子役をつかみ取る。ちなみに監督からは、後日「『第一印象は“毒キノコみたいな人”だった』とって明かされました」と笑う。

「私の監督への第一印象は『この人、本当に映画撮ってる人?』でしたけどね(笑)。相当…失礼です。でも実際は、とてもいい意味で監督臭がなくって、力まず芝居できる環境を作ってくれました。話も解りやすいし、不思議な安心感がありましたね」

そんな現場で彼女が演じた佐和子は劇中、不景気なご時世に「しょうがないと思います」、将来の夢は「別にないですし」、ダメ男続きの恋愛遍歴には「しょせん“中の下”の女なんです」と、不満をぶつける訳でもなく、淡々と、飄々と独特のリズムで呟いていく。その不思議なテンポを放つ存在感に、観る側はジワジワと引きつけられていく。

「佐和子の持つ独特の生きるリズムを大切に表現する為に、細かい演出がいっぱいあったし、アイディアも出したし。佐和子って、何だか色々発散する為の、ヘンテコな習慣がいくつもあるんです」

その習慣を象徴するのが、寝転がった佐和子が毎晩、爪先で電灯のヒモをひいて消灯するシーンだ。

「爪先はなかなか届かないし内股はピキッとするしで、ほんっと必死でしたよ!まぁでもよく考えると、日常って意外とそういうことで必死になりますよね。鍋の汚れが落ちなくて必死に洗うとか。私もそういうの、よくあります、うん」

重要なシーンでは脱力感にあふれ、何気ない描写に必死さがにじみ出る。不思議かつナチュラルな存在感の彼女の演技に、このGWは注目だ。【トライワークス】

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