満島ひかりが幸せを感じた現場のニオイ!!

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満島ひかりが幸せを感じた現場のニオイ!!

公開中の『カケラ』や、5月10日(月)スタートの月9ドラマ「月の恋人〜Moon Lovers〜」への出演で注目の若手演技派・満島ひかり。5月1日(土)公開の『川の底からこんにちは』では、中途半端な人生を生きる“中の下”なOL・佐和子役で主演。病床の父親に代わり、経営不振の“シジミのパック詰め”工場を継ぎ、逆境に追い詰められる娘を好演する。

不景気は「しょうがない」、夢は「ないです」と、あきらめムードで生きる佐和子。そんな彼女のささやかなストレス発散のひとつが“お酒”。満島本人が「相当の飲んべえですよね、この子」と振り返るほど発泡酒を飲むシーンが多い。

「あれ、中身はモチロン偽物なんですけど、何度か勝手に本物飲んでます(笑)。なんだかついついリアルを追求したがっちゃうんですよね、駄目ですねぇ私。(石井裕也)監督に『全部のシーンで本物飲みたい』って言ったら『いやいや、身がもたないって!』と言われました。確かに、飲んだ後に自転車漕げませんからね。正解です(笑)」

やがて「がんばるしかない!!」と静かに高揚していく佐和子。そんな彼女について満島自身は、「心と身体がともに行動している姿は、素直にかっこいいなぁ」と思った。

「変にかっこつけること、あるじゃないですか。そういうのが佐和子にはない。できないことは『できない。けど、がんばります』って、そういう等身大な姿勢は見習いたいですよね」

映画の後半、佐和子はいびり続けるオバちゃんたちと工場建て直しに奮闘しだす。オバちゃんたちとの競演は「面白いシーンばかりで、苦しかったです」という。いったいなぜ?

「おばちゃん達と間近で向き合うと“凄まじい圧力”で押されてしまうんです。『私いま、すごい戦いをしているんだ』って。社歌を熱唱するシーンも『負けてられない!』と気合いたっぷりでした。素晴らしいシーンですよね(笑)。本当に。持てる限りの人間力でぶつかったので、口のなかまでよく映っていて。それがなぜかうれしかったりして(笑)。撮影の間『あぁ、芝居、好きだなぁ』って気持ちで溢れていました。」

演技合戦も含め、茨城で2週間の合宿状態で撮られた本作。「そこら辺で泳いでる黒鳥や白鳥にエサをやったり、しじみのことを学んだり」と奔放に過ごしていた様子の彼女は、地元の方々、それにスタッフ、キャスト含めて、現場の雰囲気は「実家にいるみたいだった」という。

「親戚が『よし、皆で映画でも撮るか』って集まって撮影しているみたいだった(笑)。それぐらい色んなものが溶け込んでました。撮影後には毎晩欠かさずビールが配られていたし、皆よく飲むし。なんだかとても幸せな現場でした。苦しいときもあったけど、学校でちょこっと先生に叱られてへこんじゃったみたいな、そんな。きっと皆が心がけて『川の底からこんにちは』ならではの温かい空気を作っていたんだと思います。そんな、現場のニオイみたいなものがたっぷり、たぁーっぷり詰まった映画ですよ、はい!」【トライワークス】

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