J・キャメロン監督、3D作品の品質管理の必要性を訴える
『アバター』のジェームズ・キャメロン監督が、映画界全体での3D作品の品質管理の必要性を訴え、製作側の商業的意図によってできあがった“粗悪な3D作品”の例として『タイタンの戦い』をあげている。
2D作品を撮影後に3D変換した場合の映像のお粗末さは、映画評論家やテクノロジー関係者からすでに指摘されているが、キャメロン監督はそれを一歩推し進めた、3D映画の品質のスタンダードが必要だという。
「僕がやりたいのは、DGA(全米監督組合)と、たぶんASC(全米撮影監督協会)と一緒にフォーラムを立ち上げることだ。品質のスタンダードについて討議する必要があると思う。スタジオや大手配給会社も巻き込んでね。急成長している市場を台無しにするようなバカなことをしてはいけない。『タイタンの戦い』は3Dでは見られたものではなかったと言う人々がいる。2Dで見たほうがいいし、ずっと楽しむことができたと言っていた。僕は見てないのでとやかく言うべきじゃないが、(3D版は)鑑賞に耐えるギリギリの線だったと言う人が多い。僕はこういう事態を予測していた。7週間で3D変換すると聞いた時、“不可能だ”と僕は言ったんだ。映画を急いで3D化して3D映画と呼ぶことはできる。だが、そういう作品が、誰が見ても高品質だと思えるスタンダードに達しているはずがない」と語っている、とContactmusic.comが伝えている。【UK在住/ブレイディみかこ】
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