砂漠でレコーディングも!?御年71歳、世界一破天荒なロックレジェンドって?
ジム・ジャームッシュ監督がメガホンを取ったドキュメンタリー『ギミー・デンジャー』(16)が公開されるなど、いま改めて注目を集めている“ロックレジェンド”イギー・ポップ。2016年に発売された彼の最新アルバム「ポスト・ポップ・ディプレッション」の製作過程とライブツアーの模様を追ったドキュメンタリー映画『アメリカン・ヴァルハラ』が4月14日(土)に劇場公開される。
多くの後輩ミュージシャンに影響を与えたイギー・ポップ
イギー・ポップは1967年にザ・ストゥージズのボーカリストとしてレコードデビュー。エッジの立った攻撃的なギターと荒々しいボーカルもさることながら、ステージ場での自傷行為などのスキャンダラスなパフォーマンスは当時のロックシーンを揺るがし、セックス・ピストルズやガンズ・アンド・ローゼズ、レッド・ホット・チリペッパーズなどの後進にも大きな影響を与えた。イギーのサウンドになじみのない人でも映画『トレイン・スポッティング』(96)のオープニングで使用された楽曲「ラスト・フォー・ライフ」は聞いたことがあるはずだ。
クイーン・オブ・ザ・ストーン・エイジやアークティック・モンキーズのメンバーとの共同制作
今回の映画では、彼の通算17枚目のソロアルバムの製作過程に密着。イギーが自費でレコーディングを計画し、自らクイーン・オブ・ザ・ストーン・エイジのジョシュ・ホーミにメールでプロデュースを打診。親子ほど年の離れたミュージシャンたちと砂漠のど真ん中にあるレコーディング・スタジオで極秘裏に楽曲を仕上げていく様子を、インタビューを交えながら描いていく。
そこでひも解かれるのは、これまでのイギーが歩んだ波乱万丈の音楽人生。ドラッグとアルコールにまみれた60~70年代の狂騒や、生涯の盟友デヴィッド・ボウイとのコラボレーションなど、ロックファンには垂涎のエピソードの数々が披露される。さらにジョシュをはじめレコーディングに招集されたクイーン・オブ・ザ・ストーン・エイジのディーン・フェルティタやアークティック・モンキーズのマット・ヘルダースがイギーと共演できる喜びや、畏敬の念を言葉にしていく姿も見逃せない。
衰えることを知らない、ライブへの情熱
そしてカメラはアルバム完成後のライブツアーにも帯同。ステージで上半身裸のイギーが身体をくねらせ、時には客席にダイブしながら音楽をプレイできる喜びを表現すると、後輩ミュージシャンたちが敬意と愛に溢れた演奏で彼を支える。そんな多幸感に包まれたライブ風景はイギーの楽曲を聞いたことがない人でも、思わず体が動いてしまうほどの臨場感だ。
2018年で御年71歳(!!)を迎える破天荒ロッカー、イギー・ポップ。この映画を観れば、彼の来日公演を熱望せずにはいられない!