御年78歳のイアン・マッケラン、自分の葬儀をプラン中?
「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズのガンダルフ役や、「X-MEN」シリーズのマグニートー役などで知られるイアン・マッケランの、伝記的ドキュメンタリー映画が完成した。『マッケラン:プレイング・ザ・パート(原題)』は来月27日に英国公開とのことで、マッケランへの注目も高まっているようだ。
来月25日に79歳の誕生日を迎えるマッケランは、英国を代表する俳優としてのみならず、早い時期からゲイであることを公表し、LGBTQの権利活動に取り組んできた人物としても知られている。知性とユーモアで人生を自由に楽しんできたイメージが強いマッケランだが、実は自分の死について、毎日考えを巡らせているという。
英高級紙のサンデー・タイムズによると、マッケランは自身の葬儀について「“お祝い”のお葬式を劇場で行ってほしい!」「入場料は無料で、麗しい人たちにたくさん来てほしいんだ」「(アイディアを練るうちに)“ああ~、私もその葬式にものすごく出席したい!”と思ったので、葬儀の本番前にリハーサルをやりたいと考えてるよ」と、半ば本気ともとれるジョークも飛ばしているようだ。
2006年に前立腺がんと診断されたものの、定期健診を受けるだけで特別な治療は受けておらず、「“死にゆく人間“であることを受け入れている」と語るマッケラン。しかし、そんな言葉とは裏腹に仕事への情熱は全く尽きることはないようで、今年は“ハムレット”の現代版映画『Hamlet Revenant(原題)』への出演や、ウエストエンドでの「リア王」の舞台も控えている。「リア王」は、マッケランが学生時代に初舞台で演じた作品で、何と66年ぶりに同じ芝居に挑戦するという。ケンブリッジ大学の英文学科を卒業し、シェイクスピア演劇からキャリアをスタートさせたマッケランにとって、原点回帰ともいえる仕事が続くのは興味深い。来月公開のドキュメンタリー映画には、若かりし頃のマッケランの作品をはじめ、過去の再現ドラマも盛り込まれており、マッケランの多面的な人となりに触れることができそうだ。
UK在住/シャオ