イタリア人はコメディー好き?笑いのツボは世界共通〜ファー・イースト映画祭第7日目
映画祭7日目は、最新の日本映画の上映はなかった。しかし、実は今年の映画祭では日本の50年代から60年代に一世を風靡した大衆映画「新東宝」シリーズの回顧展が開かれており、今日は日本映画の巨匠・石井輝男監督の映画「女王蜂と大学の竜」など3本が上映された。
さて、あいにく日本映画はなかったが、いくつか他国の映画を紹介しよう。
chan hing-kai e janet chun監督の『La comédie humaine(人間喜劇)』は、香港の楽しいコメディー作品。映画好きの殺し屋と運に見放されたおしゃべり好きの売れない脚本家が一緒になったら? 香港映画らしい笑い満載の作品で、会場は大爆笑。ヒロイン役のChapman To(チャップマン・トー)も会場に姿を見せ、観客から喝采を浴びていた。
Erik Matti監督の『The arrival』はフィリピン映画。マニラに住む貧しい会計係の主人公が、すべてを捨てて連日見る奇妙な“夢”を追う物語だ。彼は毎夜一軒の家の夢を見る。そのうち、この家が実在しており、その家がある小さな村に引っ越すというあらすじ。物語は重く、ゆっくりと進む。演技も良いが、万人向けではないかもしれない。重いヒューマンドラマを愛する人にはぴったりな作品だ。
そしてJang Hun監督の『Secret reunion(義兄弟)』。本国韓国で2010年2月に公開されて以来、圧倒的な観客動員数を記録している。日本でも人気のソン・ガンホとカン・ドンウォンが主演の、捨てられた北の工作員と韓国の罷免された情報員を中心に繰り広げられるドラマだ。深刻なテーマもありながら、アクションや笑いを楽しめる作品で、日本公開も期待される。
映画祭も残すところ2日となった。8日目は田口トモロヲ監督の『色即ぜねれいしょん』(09)が上映される予定だ。【現地取材:Marco Sottile / 翻訳・編集:真野香理】