ウェス・アンダーソン大絶賛の美少年が『犬ヶ島』の制作現場に潜入!
『グランド・ブダペスト・ホテル』(14)などで映画ファンから絶大な支持を集めるウェス・アンダーソン監督が全編日本を舞台に、愛犬を探す少年と隔離されてしまった犬たちとの冒険を描き出し、第68回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(監督賞)に輝いたストップモーション・アニメ『犬ヶ島』(5月25日公開)。このたび本作から全世界初解禁となるスペシャルメイキング映像が到着した。
ウェスが手がけアカデミー賞長編アニメーション賞にノミネートされた『ファンタスティック・Mr.FOX』をはじめ『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』(16)や『ぼくの名前はズッキーニ』(17)など、近年世界中で注目を集めているストップモーション・アニメ。その撮影のプロセスはあらゆることが規格外で、本作では総勢670名のスタッフが445日間の撮影に臨み、約14万4000枚の静止画を撮影。240ものセットがデザインされ、キャラクターの人形の数は実に1097体。各人形の制作には約16週間が費やされたとか。
このたび到着した映像の中では、そんな貴重な制作現場に主人公・アタリを演じたコーユー・ランキンが潜入!様々な工程を見学し、実際に撮影を体験していく様子が収められている。粘土で作られたアタリの顔に表情を付けてみたり、エアブラシでの色付けや眉毛の塗装、人形にポーズをとらせてみるなど、興味津々のコーユー。
本作が長編映画デビューとなったコーユーは、スコットランド系カナダ人の父と日本人の母の間に生まれた現在11歳の美少年。ニューヨークで行われたオーディションでウェスに才能を見出され、主役に抜擢された彼は収録当時まだ8歳だったそうだ。そんな将来有望な彼の演技についてウェスは映像の中で「コーユーの声はすばらしかった」と絶賛し「本作の隅々にまで影響を与えているんだ」とコメント。
ストップモーション・アニメでは役者たちの声と演技が制作過程で大きな役割を果たすようで「私は日本語がわからないので、コーユーがしゃべることのすべては理解できませんでしたが、彼の素敵な声はこのキャラクター、そしてパペットを作っていく中で本当に多くのインスピレーションを与えてくれました」とウェスは語る。
現在は俳優としてはもちろんのこと、トップクラスのサッカークラブに所属したり、昨年には父親が組むバンドのPVにドラム担当として出演するなど、様々な分野で才能を発揮する将来有望のコーユー。ウェスが認めた新たな才能が本作でどんな演技を披露しているのか、大いに期待していただきたい。
文/久保田 和馬