藤原啓治「アイアンマンに励まされた」“キャプテン・アメリカ”中村悠一への思いも吐露

インタビュー

藤原啓治「アイアンマンに励まされた」“キャプテン・アメリカ”中村悠一への思いも吐露

渋みと軽やかさのある大人の男。アイアンマン/トニー・スタークには、声優・藤原啓治の魅力がピタリとハマる。『アイアンマン』(08)から日本語吹替えを担当し続けて、今年で10年。本日公開日を迎えたマーベルヒーロー大集結のアクション・エンタテインメント『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』にも、藤原が参戦!アツい戦いに身を投じている。病気療養のため休業も経験した彼だが、休業中には「アイアンマンに励まされた」と告白。アイアンマン、そしてキャプテン・アメリカの日本語吹替えを務める中村悠一への思いまでを明かしてもらった。

「アベンジャーズ」シリーズ最新作となる本作。世界を制圧する力を秘めた“インフィニティ・ストーン”を求め、最強のラスボス、サノスの脅威が地球へと迫る。アイアンマンらヒーローたちが死闘を繰り広げる様を大迫力のアクションとともに描く。

アイアンマン/トニー・スタークを演じて、ちょうど10年。藤原は「こんなに長く続けられるとは。とてもうれしいです」と素直な胸の内を吐露。「昨年は『スパイダーマン:ホームカミング』にもアイアンマンがお邪魔したりして。スパイダーマンの世界をかき回すような感じで登場できるのも楽しくて(笑)。また違った彼の面を見ることもできるので、とてもおもしろいですよね」とマーベル・シネマティック・ユニバースの世界を大いに楽しんでいる様子だ。

ヒーローが大集結する本作だが、誰もが個性派ぞろい。そんななかでもアイアンマン/トニー・スタークの魅力は「人間臭いところ」だと話す。「まずトニー・スタークという人がとても魅力的。頭もよくてスマートだけれど、調子に乗って失敗したりもする(笑)。そして心も体も痛みとともにヘトヘトになりながら、戦っている人ですよね。そんな姿が大好きなんです。どこか弱さがある人のほうが、演じる上でもドラマとしてもおもしろい存在になるのではと思っています」。

トニーを演じている時が「楽しくて仕方ない」とさらなる愛情をあふれさせる。「キャラクターの魅力もありますが、僕は演じているロバート・ダウニーJr.さんのお芝居も大好きで。『この人はこういうことがしたいのかな』といろいろな想像力を刺激されるんです。お芝居に“軽やかさ”があるところも、彼の魅力。アイアンマン/トニー・スタークはボコボコにやられても、なぜかあまり悲痛な感じがしませんよね。ロバートさんのお芝居の魅力が、そうさせているのかなと思います」。

2016年8月から2017年6月まで病気療養のため休業していた彼だが、体を休める期間には「DVDで『アイアンマン』を観返したりもしていましたよ。『また続きがある』という話もちらほらと聞いていましたので、『絶対にやったるわい!』と思いながら過ごしていました。それが励みになったのは事実ですね」とアイアンマンの存在がパワーにもなったという。「改めて観直してみると、やっぱりおもしろいなあと思って。上映期間中にも映画館に観に行きましたが、時間を置いてから観ると、いち観客としてまた違った鑑賞ができる。俯瞰的に全体を観られたのでとてもよかったなと思っています」。

アイアンマンの盟友とも言えるのが、キャプテン・アメリカだ。日本語吹替えを務める中村悠一は、藤原が休業する際に「トニー、君が必要としてくれるならいつでも駆けつける」との言葉をSNSにつづっていた。藤原は「うまいな、中村。やるなあ。俺もなにかやったほうがいいな」とニヤリ。「彼はマーベルが大好きですからね。いろいろと情報が早いんですよ」と情報交換もしているようだが、「アイアンマンとキャプテン・アメリカのように、中村さんと特別な絆を感じることはある?」と聞いてみると「まったくありません!」となんとも楽しそうな笑顔。そんなふうに言えてしまうことからも親密度が伝わるが、「彼のことは大好きです」と照れ臭そうに明かしてくれた。

いまや劇中では袂をわかつこととなってしまったアイアンマンとキャプテン・アメリカ。本作で彼らがどのようなドラマを見せてくれるのかも気になるが、藤原は「2人が反目し合う感じも、僕は大好きなんです。彼らは方法が違うだけで、向かっている方向は同じ。いつかまとまってくれるのではないかと、僕も期待しています」とそれぞれの正義に心を寄せ、「とにかくサノスがものすごく強いですから!彼らの戦いを見届けてほしいです」とメッセージ。藤原演じるアイアンマン/トニー・スタークの声がスクリーンに、いよいよ響き渡る!

取材・文/成田 おり枝

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