あの熱狂が再び!ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ最後のツアーの幕が上がる

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あの熱狂が再び!ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ最後のツアーの幕が上がる

『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオス』の予告編&場面写真が到着
『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオス』の予告編&場面写真が到着[c]2017 Broad Green Pictures LLC

『パリ、テキサス』(84)や『ベルリン、天使の詩』(87)で知られるドイツの名匠ヴィム・ヴェンダースがキューバの伝説的バンドの活動を追った音楽ドキュメンタリー『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』(99)の続編『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ★アディオス』が7月20日(金)から公開される。このたび本作から予告編と場面写真が到着した。

アメリカのギタリスト、ライ・クーダーがキューバの老ミュージシャンやベテラン歌手、音楽家たちを集めて結成したビッグバンド「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」。1997年に発売したアルバムは全世界で400万枚を売り上げ、音楽シーンに大きな驚きを与えた。

彼らの音楽と人柄に惚れ込んだヴェンダースがメガホンをとった前作は1999年に全米で公開され、第72回長編ドキュメンタリー賞にノミネート。日本では2000年の1月15日に公開され、なんと7月7日まで半年間にわたるロングランを記録し社会現象へと発展。音楽や映画の枠を超えて、キューバブームが巻き起こったほどだ。

前作から18年の時を経た本作は、グループによるステージでの活動に終止符を打つと決めた現メンバーによる“アディオス”世界ツアーを収めたドキュメンタリー作品だ。製作総指揮を務めるヴェンダースに代わりメガホンをとるのは、東日本大震災の復興に向けて立ち上がる被災者の姿を映し、第84回アカデミー賞短編ドキュメンタリー賞にノミネートされた『津波そして桜』(11)のルーシー・ウォーカー。

歳を重ねてもエネルギッシュな彼らの姿に注目!
歳を重ねてもエネルギッシュな彼らの姿に注目![c]2017 Broad Green Pictures LLC

このたび到着した予告編ではメインボーカルを務めた、今は亡きイブライム・フェレールの艶やかなボーカルとリズミカルな演奏が合わさった名曲「De Camio a La Vereda」が流れる中、一世を風靡したブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブの貴重な映像が映し出されていく。

あわせて到着した場面写真は、ステージ上での彼らの勇姿をはじめ、カラフルな車に大勢で乗り込み手を振るなど、エネルギッシュな姿が映しだされている。またギター・ボーカルを務めるエリアデス・オチョアの後ろ姿や、ピアノにスポットライトが当てられているなど、彼らのこれまでの軌跡を物語るかのような印象的なショットも満載だ。

前作から18年の間にフェレールをはじめ、コンパイ・セグンドやルベーン・ゴンザレスら多くのメンバーがこの世を去ったブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ。現メンバーたちが生涯最後のステージとなることを意識しながら音楽と向き合っていく姿を映す本作は、きっと忘れがたい体験となることだろう。

文/久保田 和馬

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