ローマ教皇風リアーナにキリスト衣装…メットガラの宗教テーマが物議!
メトロポリタン美術館のコスチューム・インスティチュートが主催する「メットガラ」が、今年も華々しく開催された。毎年5月、特別展覧会の開始前に行われるこの催しは、各界の有名人たちが集う世界屈指のファッション・イベントだ。
今年の展覧会のテーマは“カトリック”。バチカンから借りた祭服やアクセサリーの展示と共に、伝統的なカトリック文化が現代の服飾デザインに与えてきた影響を詳らかにするという。メットガラに集結したセレブたちも、カトリックをイメージしたファッションを身にまとい、モードの祭典を大いに盛り上げていた。
出席者のほんの一例をあげると、宗教画を真似て光輪のアクセサリーを頭に付けたアンバー・ハードや、巨大な天使の羽を背負ったケイティ・ペリー、ゴルチエのゴシック・ドレスを着たマドンナ、十字架デザインのドレスをまとったジェニファー・ロペスにキム・カーダシアンなどなど。“カトリック”というテーマを拡大解釈したアイディアも多く、バラエティに富んだファッションが披露された。
また、ローマ教皇の法衣をイメージしたミニドレスで話題をさらったリアーナや、完全にイエス・キリストのコスプレ状態だったジャレッド・レト、光輪を付けながらも下半身は“ほぼ裸ドレス”のブレイク・ライブリーをはじめ、宗教の冒涜と取られかねない服装も目立った。実際のところ、カトリック信者や保守主義の人々からは、今回のイベントに多くの非難が寄せられていたという。
実は、中庸の立場の人々からも“伝統文化の悪しき盗用”に対する苦言は少なくない。先月末は、アメリカ人の女子学生が「プロム(卒業パーティ)用の衣装」としてチャイナドレスを着た自撮り写真をツイートしたところ、ある中国系男性が「私の文化は、あんたのプロム衣装なんかじゃないよ」とツイートし返し、炎上騒ぎが起こった。その事件の直後ということもあり、今回のメットガラにからめて「私の宗教はあなたのコスチュームじゃない」というフレーズも誕生し、現在も議論は紛糾中だ。とはいえ、宗教や伝統文化の“侵さざるべき境界線”をどこに引くかは結論を出すことが難しく、この議題は今後も繰り返し続いていきそうだ。
UK在住/シャオ