バチカンの天敵?マドンナ、カトリックがテーマのメットガラで堂々熱唱
世界屈指のファッション・イベント「メットガラ」が、今年もニューヨークのメトロポリタン美術館で華々しく開催された。特別展覧会のテーマ“カトリック”に合わせて、ゴージャスでユニークな衣装をまとったセレブたちが会場を彩り、モードの祭典を華麗に盛り上げていた。
メットガラ常連のマドンナだが、今年のテーマであるカトリックとは、今まで数々のトラブルを経験してきている。露出度の高い衣装に十字架をモチーフにしたアクセサリーがトレードマークだった活動初期から、マドンナはキリスト教関係者の怒りを買う存在だった。敬虔なカトリックの家庭出身であることや、“聖母マリア”を意味するマドンナという本名も、火に油を注ぐ要素になっていたようだ。89年に発売された「ライク・ア・プレイヤー」のPVでは、「神と教会を愚弄した」と激しいバッシングを受け、マドンナとCM契約をしていたペプシまでが不買運動に巻き込まれた。また、マドンナ自身が十字架に磔になるステージングや、過剰に性的なパフォーマンスなどで、カトリック以外の宗教団体からも激しい非難を受けてきた。
今回、カトリックがテーマのメットガラに出席したマドンナは、ジャン・ポール・ゴルチエの黒のゴシック・ドレスに、十字架の装飾が付いた冠やロザリオを着用。今回のイベントでは、他の出席者たちも十字架モチーフの服を着ていたため特に目立つことはなかったが、会場を驚かせたのは、夜になってから行われた特別パフォーマンスだった。修道士の服を着て登場したマドンナは、マントを脱ぎ捨てて白いドレスに早変わりし、バチカンと大衝突を起こした問題の曲「ライク・ア・プレイヤー」と、レナード・コーエンの「ハレルヤ」を熱唱。聴衆からの絶賛を受けた。会場となったメトロポリタン美術館では、「現代の服飾文化にカトリックが及ぼした影響」を題材にした展覧会が始まったばかりだが、このテーマの体現者であるマドンナの一貫性が、思わぬ形で実証されたイベントになったようだ。
UK在住/シャオ