W杯の勝敗を握る重要人物!レフェリーの知られざる苦悩に迫る

映画ニュース

W杯の勝敗を握る重要人物!レフェリーの知られざる苦悩に迫る

6月11日から開幕の2010FIFAワールドカップ。そんな世界の大舞台で、勝敗のカギを握っていると言っても過言ではないのが“レフェリー”だ。もちろん、対戦相手にもよるが、試合によっては審判の当たり外れがあるのも事実。その一瞬の判断が試合の流れを変えることもあり、まさにプレイヤーの命運をも握る人物なのである。そんなレフェリーに焦点を当てたドキュメンタリー『レフェリー 知られざるサッカーの舞台裏』が公開されている。

舞台となるのは、2008年のUEFA欧州選手権。通称“EURO”と呼ばれるUEFA加盟国のナショナルチームによる選手権である。EUROは4年に1度、ワールドカップの中間年に開催され、ワールドカップと並ぶほどの盛り上がりを見せる重要な大会だ。

本作でフューチャーするのは、EURO決勝戦で主審を務めることが目標のレフェリー、ハワード・ウェブ(先日のUEFAチャンピオンズリーグ決勝戦で主審を務めた)。それを実現させようと固い意志を持って試合に臨んだ彼だったが、ポーランド対オーストリア戦での、とあるジャッジが大きな物議を呼んでしまう。ポーランド側がゴールネットを揺らした際、どう見てもオフサイドというプレーで、その判定を下さず、そのままゴールを認めたことが問題となってしまったのだ。その後、記者会見も行われ、ビデオなどで確認もされたという。

さらにハワードは、試合終了間際、ポーランド選手がオーストリア選手のユニフォームを引っ張ったことに対しファールを取り、PKのジャッジを下した。PKを取るほどの反則はなかったようで、これにおいては、ポーランドの首相の怒りを買ったほどだ。これがなかったら勝てた試合だったため、首相に「誰かを殺したい」とまで言わしめた。この試合以降、“疑惑の審判”としてメディアやサッカーファンを騒がせることになるハワード。その一部始終を本作では追っている。

注目の国際試合においては、国を揺るがす大ごとになりかねない審判のジャッジ。だが、試合が終われば、選手だけが注目を浴び、レフェリーは日の目に当たることもない。この映画を観れば、そんな彼らの熱意や苦悩を目の当たりにすることができるだろう。ちなみにハワードはワールドカップにも主審として出場予定だ。【トライワークス】

関連作品