韓国期待のイケメン、チャン・グンソクが悪人を演じた理由
昨年、日本でも放送された「ベートーベン・ウィルス〜愛と情熱のシンフォニー〜」で注目され、6月にはファンミーティングも開催されるドラマ「美男<イケメン>ですね」では、ツンデレな人気バンドのリーダーの美青年テギョンを演じ、話題沸騰中の韓国の若手実力派俳優チャン・グンソク。まさに期待のイケメンな彼が、5月28日(金)発売の『イテウォン殺人事件』では一変。狂気の眼差しにドレッドヘア姿がインパクト大な、ドラッグ常習の殺人容疑者ピアソンを演じ、役者としての新境地を開拓している。
「最近は、甘い雰囲気で微笑んで、というようなイケメンな役を求められることが多いけど、僕としては、いろんな役を演じて、演技の幅を広げたいと思っていて。だから、今回の容疑者役にも抵抗はなかったんです。シナリオを読んで驚いたのは『このシーンで彼はどう考えたか?』など、人物像が湧き出して、グイグイと感情移入できたんです。そのとき『やってみたい!』と強く思いました」。
安定したイメージよりも、レベルアップを重視したグンソク。『イテウォン殺人事件』は1997年に起きた韓国を震撼させた殺人事件を基に映画化された作品だ。観ていくと凄惨で、ゾッとするシーンもあるのだが、彼自身、役柄を、そして事件をどう解釈しているのだろう?
「確かにピアソンは悪人ですが、17〜18歳で自分でも気付かぬ間に麻薬に酔い、状況を理解しきれず犯行へ及んだのなら、その心は悪というより“恐怖心に”満ちていたのでは。犯行後、周囲から後ろ指をさされ、新聞に名前が載り、相当怖かったでしょう。正当化はできませんが、社会の制裁を受けるには幼かったのでは?と考えました。監督にも悪人というより『無邪気であどけなく演じてほしい』と求められました。なので現場では結構活発にしてましたね。ただ、暗たんとした殺人者の顔と、無邪気であどけない青年の顔というピアソンの二面性、その境界線をどう保つか、というのが、撮影では難しかったです」。
演技に磨きをかけつつ「事件を改めて思い返してほしい」という思いも強くなっていったようだ。
「『二度と起ってはならない』と実感したんです。ある意味、もどかしく、やるせないドラマなのだけど、スタッフもキャストも『二度とこんな事件が起きてほしくない』と心から願いながら撮っていました。忘れられた事件を思い出すことで、再注目されるのは良いことですし、公開後に再捜査が決まりましたから。そういう意味でも意義ある作品、かなりの社会派作だと思います」。
社会に影響を与えた『イテウォン殺人事件』だが、グンソク自身は、どういう影響を受けたのだろう?
「この映画を通して、どんな事件や化物よりも、自分が一番身近に接している人間こそ、この世で一番怖い存在なのでは? そう思うようにもなりました。演技の幅という課題においては、自信がついたと思います。演じたことのない役柄ですし。あ、僕自身とは、本当に似てはいないんですよ」。【トライワークス】
5月28日(金)発売
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