是枝裕和監督が見出した6歳の“シンデレラガール”、佐々木みゆとは?
第71回カンヌ国際映画祭で、日本映画としては21年ぶりとなる最高賞<パルムドール>に輝いた是枝裕和監督の『万引き家族』(6月8日公開)。いま世界中が最も注目している本作から、物語のキーパーソンである少女・ゆりを演じた佐々木みゆにフィーチャーした5枚の写真を独占入手した。
東京の片隅で軽犯罪を重ねながら生計を立てる家族の生活を通し、格差が広がる日本社会への強いメッセージを込めた本作は、近隣の団地の廊下で震えていた幼い少女ゆりを見かねた治が、彼女を家に連れて帰ることから幕を開ける。体じゅうに傷を持った彼女の境遇を思いやり、家族の娘として育てられることになったゆり。しかしある事件をきっかけに、家族はバラバラに引き裂かれてしまうことになる。
一家の父・治役をリリー・フランキーが、そしてその妻・信代役を安藤サクラが演じるほか、松岡茉優と樹木希林、池松壮亮や高良健吾、池脇千鶴ら幅広い世代の実力派キャストが集結。彼らのアンサンブルの中でも最も注目を集めているのは祥太役を演じる城桧吏と、ゆり役を演じた佐々木。オーディションで大抜擢された2人の子役の好演に、カンヌの目の肥えた映画関係者や映画ファンは驚嘆せずにいられなかったとか。
今回到着した画像では、“家族”の一員となったゆりが、可愛らしいワンピースを着ながらクレヨンで絵を描いている場面や、母親代わりの信代と姉代わりの亜紀と3人でガールズトークに花を咲かせていたり、河川敷を治と祥太とともに散歩する様子が映し出される場面写真。さらに、是枝監督から演出を受けている姿を映したメイキング写真に、初めて参加したカンヌ国際映画祭で多くの人からサインを求められ、精一杯練習していたと言うサインを披露する“神対応”中の姿も。
是枝監督は、佐々木を抜擢した理由について「部屋の隅でポテトチップスを食べるシーンを演じてもらったんですが、そのポテトチップスの食べ方がよかったんです(笑)」と茶目っ気たっぷりに明かしつつも、彼女のまとう雰囲気が最大の決め手になったそうだ。
過去には『誰も知らない』(04)で主役に抜擢した柳楽優弥に第57回カンヌ国際映画祭で史上最年少の男優賞をもたらすなど、“子ども”を描くことに定評のある是枝監督。また『奇跡』(11)では橋本環奈を、『海街diary』(15)では広瀬すずを起用するなど“シンデレラガール”を見出す力を持つ是枝監督。本作をきっかけに佐々木が大女優へと羽ばたいて行くことは間違いないだろう。
文/久保田 和馬