どうして?ハワイ映画の公開が6月に集中する謎
放送中のドラマ「コンフィデンスマンJP」が好評の長澤まさみが、“1日前の記憶が、翌日には消えてしまう”記憶障害を負ったヒロインを好演した『50回目のファーストキス』(6月1日公開)。オール・ハワイロケで撮られた本作は、観ていて「(日本はこれから梅雨でジメジメだけど)空も海もきれいで陽気なハワイっていいなぁ~」という気分に浸れるはず。でも“そんな気分”に、映画ファンはふとデジャヴを覚えることはないだろうか?
“自分探し”にはハワイが持ってこい?
実は洋邦を問わず、ハワイ関連の映画が6月に集中して公開される傾向があることをご存知だろうか?そしておもしろいのは、本作のように、ほぼ全編ハワイが舞台の日本映画が結構あったこと。さかのぼること15年前、川原亜矢子、西島秀俊出演の『マナに抱かれて』(03)が6月に公開されている。仕事にも恋にも挫折したアラサー独身OLが、ハワイで自分自身を見つめ直す、ゆっくりした時間の流れに癒される物語だ。
また、文字通りなタイトルの『わたしのハワイの歩きかた』は14年6月に公開。日常にくたびれた女性編集者(榮倉奈々)がハワイに飛び、ハイテンションなパーティでの出会いを通して恋と自分探しに興じるストーリーだった。同作におけるハワイは主人公たちの重要なターニングポイントに。悩み疲れた女性の背中をそっと押してくれるのも、大自然のなせる力なのだろう。
最近では、Amazonプライム・ビデオ配信ドラマだが川口春奈主演の「しろときいろ ~ハワイと私のパンケーキ物語~」もほぼハワイロケの自分探しの物語だったりする。こちらは6月に限定した作品ではないものの、傾向として近いものがあり興味深い。
海外作品のハワイ映画も、日本では6月ねらい?
ちなみに『50回目のファーストキス』は、長澤と山田孝之共演で、自分探し…よりもラブストーリーの側面が強い。というのも本作は、ハリウッド映画『50回目のファースト・キス』(05年6月日本公開)が元ネタとなっている。アダム・サンドラーとドリュー・バリモアというコメディセンス抜群な2人を主役に、笑いあり、涙ありの温かな感動作で、凝ったデート演出をするアダムがウクレレを弾き即興で歌うなど、ハワイらしいシーンが満載。ハワイの美しい海を前にさわやかな気持ちに浸れるのは2作とも共通。にしても公開時期まで共通していたのは偶然か、それとも狙ってのこと?
洋画では他にも、スポコン系女子サーフィン映画が2作。『ブルークラッシュ』(03年6月日本公開)は、ケイト・ボスワース演じるサーファーが、事故や恋を経験しながら仲間たちと大会に挑む青春映画。『ソウル・サーファー』(12年6月日本公開)は、サメに襲われて片腕を失いながらも前向きに進む天才サーファーの実話を描いた感動作。どちらも、ハワイの青い空、海、波による映像美、女の子のビキニ姿がまぶしい作品だ。
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