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労働の闇と現実を暴く、インド発のドキュメンタリー映画『人間機械』公開日が決定

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労働の闇と現実を暴く、インド発のドキュメンタリー映画『人間機械』公開日が決定

近年急速に経済成長を遂げるインドの北西部・グジャラート州にある巨大な繊維工場を舞台に、劣悪な環境下で働く労働者の姿を映し出したドキュメンタリー映画『人間機械』が7月21日(土)から全国順次公開されることが決定。このたび本作のポスタービジュアルと予告編が解禁された。

本作がテーマとして扱うのは、グローバル経済の下で歴然と進行していく労使の不平等さ。実に4500万人もの労働者がいると言われているインドの繊維・縫製産業に潜む“闇”の部分をあぶり出し、出稼ぎ労働者に対する搾取や児童労働、そして極めて低い賃金体系の現実を告発していく。

このたび解禁された本作のポスターは、人気漫画家・大友克洋との渋谷PARCO『AKIRA』アートウォールや、adidasとのコラボレーションなど幅広い領域で活躍するコラージュ・アーティストの河村康輔がデザインしたもの。海外版ビジュアルをベースにし、河村の大胆な創造性が作品イメージを進化させている。

サンダンス映画祭のワールドシネマドキュメンタリー部門で審査員特別賞を受賞するなど、世界各国の映画祭で絶賛を集めた本作。前述したような“告発”の要素に加え、ある種“宗教絵画”を思わせるような芸術的な側面を備えていることも見逃せない。薄暗い工場の中で縦横無尽に動き回る人物、轟音の中で一定の動きを続ける機械や生地のたなびく様。そして飛び散る火花。

これが初監督作となる若き才能ラーフル・ジャイン監督の独特の視点によって紡ぎ出される本作は、我々にあらゆる社会問題と向き合う時間を与えてくれる。映画館の大音響の中で、スクリーンに映し出される労働者たちの立場に身を置きながら、決してよその国だけの問題ではない“労働問題”について考えをめぐらせてみてはいかがだろうか。

文/久保田 和馬

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